ライフイベントから探す
横断学習社労士試験の各科目は、実は一人の人間の人生に連動しています。 20歳から老後まで、節目ごとにどの法律・制度が関わるかを横断的に整理しました。 各カードのリンクから計算ツールでそのまま確認できます。
国民年金に強制加入される
20歳になると、学生・無職・フリーターを問わず国民年金第1号被保険者になり、保険料の納付義務が生じます。ただし在学中の学生は「学生納付特例」を申請すれば保険料を猶予できます。猶予された期間は受給資格期間(10年)には算入されますが、年金額には反映されません。
就職して社会保険に強制加入される
適用事業所に入社すると、健康保険・厚生年金保険に資格取得日(入社日)から強制加入します。資格取得届の提出期限は事実発生から5日以内。標準報酬月額が決定され、保険料は翌月控除が原則です。同時に国民年金は第2号被保険者となり個別の保険料納付が不要になります。雇用保険にも加入し、将来の失業給付の被保険者期間が始まります。
結婚・入籍して家族が増えた
結婚すると、配偶者の年収が130万円未満であれば健康保険の被扶養者に届け出ることができ、保険料負担なく医療給付を受けられます。同時に国民年金の第3号被保険者(扶養している側が第2号の場合)として、保険料を個人で納付せずに済みます。氏名変更・住所変更に伴う各保険の届出や、就業規則の家族手当・配偶者手当の確認も必要です。
配偶者・家族を扶養に入れる(要件詳細)
被扶養者の認定基準は健康保険と国民年金(第3号)で異なります。健康保険は今後12か月間の見込み収入で判断(年収130万円未満が基準)。2026年4月改正により、雇用契約ベースの新判定方法が導入され、収入が一定基準を超える雇用契約があると原則扶養不可となりました。被扶養者の範囲・優先扶養義務者の考え方は試験で頻繁に問われます。
妊娠・出産から育児休業取得まで
産前42日(多胎98日)・産後56日は労基法上の産前産後休業期間です。この期間に健保から出産手当金(標準報酬日額×2/3)が支給されます。出産後は育児・介護休業法に基づき育児休業を取得でき、雇用保険から育児休業給付金(最初の180日は67%、以降50%)が支給されます。産前産後・育休期間中の健保・厚年保険料は申出により免除されます。
副業・フリーランスとして独立する
副業・フリーランスとして働く場合、雇用関係にある場合と業務委託の場合で社会保険の扱いが大きく異なります。労働者性が認められれば労基法・労災保険が適用されますが、認められなければ国民年金第1号・国民健康保険に自ら加入が必要です。複数の会社で社会保険に加入する場合(マルチジョブホルダー)は年金事務所への届出が必要になります。
業務中・通勤中に事故・病気になったとき
業務上または通勤途上の傷病は労働者災害補償保険(労災保険)が適用されます。健康保険は使用できず、療養補償給付(現物給付)により無料で治療を受けられます。休業4日目から休業補償給付(給付基礎日額の60%)と休業特別支給金(20%)が支給され、合計80%相当を受け取れます。障害が残った場合は障害補償給付、死亡した場合は遺族補償年金が支給されます。
業務外の病気・ケガで働けなくなったとき
業務外の傷病で連続3日間の待期期間完成後、4日目から健康保険の傷病手当金(標準報酬日額×2/3)が最長1年6か月支給されます。高額な医療費がかかる場合は高額療養費制度で自己負担を軽減できます。後遺障害が残った場合は障害年金の受給要件も確認が必要です。(業務上・通勤途上の傷病は「労災事故」のイベントを参照してください)
家族の介護で介護休業を取得する
要介護状態の家族を介護するために介護休業を取得すると、雇用保険から介護休業給付金(休業開始時賃金日額×67%)が支給されます。介護休業は対象家族1人につき通算93日・3回まで分割取得可能です。介護を受ける側が要介護認定を受けていれば介護保険サービスを利用できます。介護保険の第2号被保険者(40〜64歳)は16種の特定疾病が原因の場合のみ対象です。
会社を辞めて失業給付を受ける
退職後は雇用保険の基本手当(失業給付)を受給できます。自己都合退職では原則2か月の給付制限があります(2025年4月以降1か月)。健康保険は退職翌日に資格喪失。任意継続(最長2年・全額自己負担、標準報酬月額の上限28万円)または国民健康保険への切替を選択します。国民年金は第1号被保険者に切り替わり、収入がない場合は保険料の免除申請が可能です。
突然解雇された場合の権利と給付
使用者は解雇の30日前に予告するか、平均賃金30日分の予告手当を支払わなければなりません(労基法第20条)。解雇・倒産等による離職者は特定受給資格者として、給付制限(2か月)が免除され、受給要件の被保険者期間も「離職前1年間に6か月以上」に短縮されます。
転職・再就職するときの手続きと給付
離職後に再就職するまでの空白期間中は、雇用保険の基本手当(受給要件あり)や再就職手当(早期再就職のインセンティブ)を受けられます。健康保険は前職の任意継続または国民健康保険へ加入。新しい職場では改めて資格取得届を提出し、前職の被保険者期間が通算されるかどうか(雇用保険・厚生年金)の確認が重要です。
介護保険料の徴収が始まる(第2号被保険者)
40歳になると介護保険の第2号被保険者となり、健康保険料と合わせて介護保険料が毎月徴収されます。第2号被保険者が介護サービスを受けられるのは、老化に起因する16種類の特定疾病に限られます。任意継続被保険者にも介護保険料が上乗せされます。
特別支給の老齢厚生年金・高年齢雇用継続給付
生年月日によっては60歳から65歳未満の間、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給できます。60歳時点の賃金と比較して75%未満の賃金で再雇用された場合、雇用保険から高年齢雇用継続給付(最大賃金の15%相当)が支給されます。年金と給付を同時に受けると老齢厚生年金の一部が停止されるため調整計算が必要です。
定年退職・継続雇用制度の活用
60歳定年後は継続雇用制度(再雇用・勤務延長)を利用できます。継続雇用を希望する全従業員に65歳まで就業機会を与えることが義務です(高年法)。70歳まではさらに努力義務として就業確保措置が求められます。定年退職後に再雇用された場合は雇用保険・厚生年金の再加入手続きが必要となります。
老齢年金を受給しながら働く
65歳から老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)を受給できます。繰上げ受給(最大60歳から)または繰下げ受給(最大75歳まで)の選択も可能です。65歳以降も厚生年金に加入して働く場合は在職老齢年金の調整が適用され、基本月額と総報酬月額相当額の合計が62万円/月を超えると年金が一部停止されます(2026年4月改正)。
被保険者や受給者が亡くなったとき
被保険者が死亡した場合、健康保険から埋葬料5万円が支給されます(生計維持の遺族がいない場合は実費の埋葬費)。子のある配偶者または子には遺族基礎年金が支給され、厚生年金被保険者等の遺族には遺族厚生年金が支給されます。業務災害・通勤災害による死亡の場合は遺族補償年金(労災)も適用されます。