懲戒処分 有効要件 チェックリスト
労働契約法第15条 / 懲戒処分の有効性判断と処分種類の整理
懲戒処分は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められない場合は権利濫用として無効となります(労働契約法第15条)。4つの有効要件を満たすことが必要です。
懲戒処分の種類と程度 頻出
| 種類 | 内容 | 法的制限 |
|---|---|---|
| 戒告・譴責 | 将来を戒める(戒告)+始末書提出(譴責)。最も軽い処分 | 特になし |
| 減給 | 一定期間、賃金の一部を減額する処分 | 1回の事案:賃金の1日分の半額以内 1賃金支払期:賃金総額の10分の1以内 (労基法第91条) |
| 出勤停止 | 一定期間、出勤を停止し賃金を支払わない処分 | 就業規則に期間の定めが必要(合理的な範囲内) |
| 降格・降職 | 役職・職位を下げる。降格に伴い賃金が下がる場合あり | 就業規則の根拠規定が必要 |
| 諭旨解雇 | 退職を勧告し、応じれば退職扱い。応じなければ懲戒解雇 | 退職金の支給有無は就業規則による |
| 懲戒解雇 | 最も重い処分。即時解雇。原則として退職金不支給 | 予告不要(労基署の解雇予告除外認定が必要な場合あり) |
有効要件 4要件チェックリスト 頻出
懲戒処分を行うには就業規則に根拠規定(懲戒事由・処分種類)がなければならない。
就業規則に定めのない行為を理由とした懲戒処分は無効(罪刑法定主義的考え方)。
就業規則に定めのない行為を理由とした懲戒処分は無効(罪刑法定主義的考え方)。
非違行為の性質・程度と処分の内容が釣り合っていること。
軽微な違反に対して重い懲戒解雇を行った場合など、過重な処分は無効となりうる。
過去の処分歴・反省の態度なども考慮される。
軽微な違反に対して重い懲戒解雇を行った場合など、過重な処分は無効となりうる。
過去の処分歴・反省の態度なども考慮される。
同種・同程度の非違行為に対して同程度の処分を行うこと。
同様の行為をした他の社員と比べて著しく不均衡な処分は無効となりうる(恣意的・差別的な運用の禁止)。
同様の行為をした他の社員と比べて著しく不均衡な処分は無効となりうる(恣意的・差別的な運用の禁止)。
処分前に本人に弁明の機会を与え、十分な事実調査を行うこと。
就業規則に「弁明聴取」「懲戒委員会の開催」等の手続きが定められている場合はその手続きを履践する必要あり。
手続きの欠缺により処分が無効となる場合がある。
就業規則に「弁明聴取」「懲戒委員会の開催」等の手続きが定められている場合はその手続きを履践する必要あり。
手続きの欠缺により処分が無効となる場合がある。
減給の法的制限(労基法第91条)頻出
1回の事案に対する減給額 ≦ 平均賃金の1日分の半額
1賃金支払期における減給の総額 ≦ 賃金総額の10分の1
※ 同一賃金支払期に複数の懲戒事由があっても上限は1賃金支払期の賃金総額の10分の1まで。制限を超えた部分は次の賃金支払期に繰り越せる(判例)。
試験頻出ポイント
- 労働契約法第15条:懲戒が客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当でない場合は権利濫用で無効
- 減給制限:1事案につき1日分の半額・1賃金期につき10分の1以内
- 懲戒解雇は予告不要だが、労基署への解雇予告除外認定申請が必要な場合あり
- 就業規則に根拠がない懲戒事由を理由とした処分は無効
- 弁明の機会の付与:法律上の明文規定はないが、就業規則の手続きを履践しないと無効となりうる
根拠法令:労働契約法第15条・
労働基準法第91条(減給の制裁)