概要
厚生年金保険法
Employees' Pension Insurance Act厚生年金保険法は、会社員・公務員などの被用者が加入する公的年金制度で、国民年金の上乗せ給付を提供します。 老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の3種があり、標準報酬月額と被保険者期間をもとに年金額が計算されます。 在職老齢年金(就労中の年金停止)・特別支給の老齢厚生年金(60〜65歳)・加給年金額など、 国民年金と組み合わせて理解する必要がある論点が多く、社労士試験の最重要科目の一つです。
厚生年金保険法(昭和29年)
被用者向けの上乗せ年金
報酬比例部分
計算ツール
機能メニュー
算定基礎届(定時決定)
4・5・6月の報酬から標準報酬月額を算定(厚年法第21条)
月額変更届(随時改定)
固定的賃金変動後の月額変更判定(厚年法第23条)
賞与支払届
標準賞与額の決定・上限(150万円)チェック(厚年法第24条の4)
在職老齢年金 計算
支給停止額の計算(厚年法第46条)
老齢厚生年金 受給額計算
報酬比例部分・加給年金の計算(厚年法第43・44条)
障害年金 支給要件チェック
初診日要件・保険料納付要件の判定(厚年法第47条・国年法第30条)
障害厚生年金 計算
1〜3級・障害手当金の受給額計算・300月みなし(厚年法第47条)
遺族厚生年金 計算
報酬比例部分×3/4・300月みなし・中高齢寡婦加算(厚年法第60条)
特別支給の老齢厚生年金
定額部分・報酬比例部分の支給開始年齢と受給額(厚年法附則第8条)
加給年金額・振替加算 計算
配偶者・子の加算額、振替加算額の算定(厚年法第44条・国年法附則第14条)
年金の併給調整 チェック
老齢・障害・遺族の組み合わせ可否を判定(国年法第20条・厚年法第38条)
在職定時改定チェック
65歳以上の在職厚生年金被保険者の毎年10月改定(対象判定・新等級確認)(厚年法第43条の2)
老齢年金 繰上げ・繰下げ 計算
受給開始年齢の繰上げ(最大30%減額)・繰下げ(最大84%増額)による年金額変動(厚年法附則第7条の3・第11条)
経過的加算 計算
厚生年金加入月数と20歳前・60歳後の月数から経過的加算額を算定(厚年法附則第59条)
厚生年金保険料 計算
標準報酬月額・標準賞与額から折半保険料を算定(厚年法第81条・保険料率18.3%)
離婚時の年金分割チェック
3号分割(2008年4月以降・自動1/2)と合意分割(婚姻期間全体・上限1/2)の分割額を試算(厚年法第78条の2)
脱退一時金 計算・要件チェック(外国人)
外国人労働者の厚生年金・国民年金の脱退一時金要件確認と概算計算。被保険者月数別支給率・出国後2年以内請求(厚年法附則第29条)
在職老齢年金 62万円改正 解説(2026年4月)
支給停止基準額が50万円→62万円(法定)に引き上げ。令和8年度実額65万円。計算例・改正前後比較・試験ポイントを解説(厚年法第46条)
厚生年金 適用事業所 解説
強制適用事業所・任意適用事業所の要件と、5人未満個人事業所の暫定任意適用を解説(厚年法第6条・第8条)
厚生年金 被保険者原簿・適用通知書・記録照会 解説
被保険者原簿の記録事項・適用通知書の交付義務・同月得喪の保険料処理を解説(厚年法第28条・第31条)
厚生年金 遺族の範囲・内縁関係・未支給年金 解説
遺族厚生年金の受給権者の優先順位・内縁配偶者の取扱い・未支給年金の請求権者を解説(厚年法第59条・第37条)
確定給付企業年金・厚生年金基金 解説
DBとDCの給付額・運用リスクの違い、厚生年金基金の代行制度・2014年新設禁止を解説(確定給付企業年金法・厚年法第138条)
中高齢寡婦加算・経過的寡婦加算 解説
40歳以上・子なし要件・加算額・65歳で消滅(厚年法第62条・附則第73条)
厚生年金 2以上の種別 解説
第1〜4号・被保険者種別・期間按分・一元化の仕組み(厚年法第78条の22〜)
障害年金 事後重症・基準障害・同一傷病 解説
65歳前請求・遡及なし・認定日請求との違い(厚年法第47条の2・第47条の3)
【改正】106万円の壁撤廃・社会保険適用拡大
2026年10月に月額賃金要件(8.8万円)が撤廃。厚生年金被保険者の拡大につながる試験最重要改正
法改正 2025-2026 総合まとめ
社労士試験頻出の主要法改正を科目別・施行日順に横断整理。在職老齢年金65万円(法定62万円)・適用拡大等
健康保険との等級の違い:
厚生年金は全32等級(88,000円〜650,000円)、健康保険は全50等級(58,000円〜1,390,000円)。
標準報酬月額の計算方法は同じですが、使用する等級表が異なります。
年間業務カレンダー(厚生年金保険法)
1月
- 主要イベントなし
2月
- 主要イベントなし
3月
- 厚生年金保険料率の確認
- 在職老齢年金 支給停止基準額の確認試験頻出
4月
- 新入社員 厚生年金 資格取得届試験頻出
- 70歳以上被用者 算定基礎届の確認試験頻出
- 算定基礎届 対象月開始(4月)リリース済
5月
- 算定基礎届 対象月(5月)リリース済
6月
- 算定基礎届 対象月(6月)リリース済
- 賞与支払届(夏季賞与)試験頻出
7月
- 算定基礎届 提出(7/1〜7/10)リリース済試験頻出
- 月額変更届(随時)リリース済試験頻出
- 標準報酬月額 改定通知
8月
- 主要イベントなし
9月
- 標準報酬月額 改定適用(9月〜)リリース済試験頻出
- 随時改定 確認リリース済
10月
- 厚生年金 適用拡大 確認(短時間労働者)試験頻出
11月
- 賞与支払届 準備(冬季)
- 年金記録の確認・訂正
12月
- 賞与支払届 提出(冬季賞与)試験頻出
- 標準賞与額 上限(150万円)確認試験頻出
試験対策
試験対策ポイント(頻出条文)
第21条(定時決定)リリース済e-Gov↗
健康保険法第41条と同様の仕組み。4・5・6月の報酬平均で標準報酬月額を決定、9月から適用。 厚生年金の等級は第1〜32等級(88,000円〜650,000円)で健保(50等級)より少ない点が頻出。第23条(随時改定)リリース済e-Gov↗
健康保険法第43条と同様。固定的賃金変動後3ヶ月の平均が現等級と2等級以上差があれば改定。 健保と厚年は同時に改定される(同じ支払基礎日数・同じ報酬で判定)。第42条(老齢厚生年金の受給要件)e-Gov↗
①保険料納付済期間等が10年以上 ②65歳に達していること。受給額は報酬比例部分で計算。 特別支給の老齢厚生年金(60〜64歳)は段階的に廃止中(男性2025年、女性2030年完全廃止)。第44条(加給年金額)e-Gov↗
被保険者期間20年以上で、65歳未満の配偶者・18歳年度末未満の子を生計維持している場合に加算。 配偶者が65歳に達すると加給年金は消滅し、振替加算(配偶者の老齢基礎年金に加算)が始まる。第46条(在職老齢年金)e-Gov↗
65歳以上:基本月額+総報酬月額相当額が65万円超の場合に超過額の1/2を支給停止(令和8年度実額・法定62万円・2026年4月〜)。 2022年4月改正で60〜64歳も65歳以上と同基準に統一された。第24条の4(賞与支払届)e-Gov↗
賞与支払後5日以内に提出。標準賞与額の上限は1回150万円(健保は年累計573万円)。 同一月内の賞与は合算。賞与支払予定月に支払いがなければ不支給届を提出。当事者視点
厚生年金に加入しているあなたへ
会社員・公務員が加入する厚生年金保険は、国民年金(基礎年金)に上乗せされる年金です。保険料や将来受け取れる年金の仕組みを理解しておきましょう。
✅ 厚生年金保険料は会社と折半で負担します
厚生年金保険料は標準報酬月額×保険料率(18.3%)を労使折半で負担します。給与明細では「厚生年金保険料」として控除され、会社も同額を負担しています。標準賞与額には上限(1回150万円)があります。保険料は将来の老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の財源となります。
✅ 老齢厚生年金は65歳から国民年金(基礎年金)に上乗せされます
老齢厚生年金は老齢基礎年金(国民年金)に上乗せされる形で支給されます。受給額は加入期間中の報酬と加入期間によって決まります。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で将来受け取れる見込み額を確認できます。繰下げ受給で老齢厚生年金も増額できます。
✅ 退職・転職時は速やかに年金手帳(基礎年金番号)を確認しましょう
退職・転職の際は被保険者資格喪失・取得の手続きが事業主によって行われます。基礎年金番号(またはマイナンバー)を正確に伝えることで年金記録の連続性が保たれます。会社を辞めた後、次の就職まで間がある場合は国民年金第1号への種別変更届が必要です。年金記録はねんきんネットで常時確認できます。
法令
根拠法令
厚生年金保険法 第1条
e-Gov
厚生年金保険制度の目的(被用者の老齢・障害・死亡に対する保険給付)を規定。昭和29年施行。適用事業所に使用される者が強制加入する2階建て年金制度。保険料は労使折半。
厚生年金保険制度の目的(被用者の老齢・障害・死亡に対する保険給付)を規定。昭和29年施行。適用事業所に使用される者が強制加入する2階建て年金制度。保険料は労使折半。