労働保険 時効・督促・代理人 解説
徴収法第41条・第28条・第29条労働保険料の時効(徴収法第41条)e-Gov↗
| 区分 | 時効期間 | 起算点 |
|---|---|---|
| 労働保険料の徴収権 (政府が事業主から保険料を徴収する権利) |
2年 | 納付すべき日の翌日 |
| 過誤納保険料の還付請求権 (事業主が誤って多く納めた保険料の返還を求める権利) |
2年 | 過誤納となった日の翌日 |
| 追徴金の徴収権 | 2年 | 追徴金確定の翌日 |
| 延滞金の徴収権 | 2年 | 延滞金確定の翌日 |
督促があった場合の時効更新:督促状を送付した場合、時効が更新される(更新後は督促状指定期限の翌日から2年間)。
社会保険(健保・厚年)との比較
健康保険・厚生年金保険料の徴収権は2年(同じ)。年金給付受給権の時効は5年(労働保険料とは別)。
→ 「保険料の徴収は2年、給付の時効は5年」と整理する。
督促(徴収法第28条)e-Gov↗
督促の要件
事業主が労働保険料その他の徴収金を納付しない場合、政府は督促状を送付することができる。督促状には指定期限を記載する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 督促状の発行権者 | 政府(都道府県労働局長または所轄労働基準監督署長) |
| 指定期限 | 督促状を発した日から起算して10日以上の期限を指定 |
| 督促の効果 | 時効の更新(督促状発送後、指定期限の翌日から新たな2年が起算) |
| 送達方法 | 通常の郵便・公示送達等 |
滞納処分(徴収法第28条第2項・第29条)e-Gov↗
督促状の指定期限までに納付がない場合、政府は国税滞納処分の例により滞納処分を行うことができる。
滞納処分の手順:
①財産の調査 → ②差押え → ③換価(公売等) → ④配当・充当
滞納処分の手順:
①財産の調査 → ②差押え → ③換価(公売等) → ④配当・充当
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施権者 | 都道府県労働局長(徴収法第28条第2項) |
| 差押えの対象 | 事業主の財産(預金・不動産・売掛金等) |
| 優先順位 | 労働保険料は国税に次ぐ優先権を有する(国税・地方税に準じる) |
| 第二次納付義務 | 事業主が滞納処分に不足する場合、一定の関係者(役員等)が第二次納付義務を負う場合あり |
代理人による申告・納付(徴収法第43条)e-Gov↗
代理人の制度
事業主は、代理人を選任して保険料の申告・納付等の手続きを行わせることができる。代理人の選任・解任は、都道府県労働局長に届け出なければならない。
代理人が行った申告・納付は、事業主本人が行ったものと同一の効果を有する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代理人の資格 | 特に資格要件なし(社会保険労務士でなくてもよい) |
| 届出先 | 都道府県労働局長 |
| 社労士との違い | 社労士は法律に基づく申請・申告手続の代理権を有する(社労士法による)。一般の代理人は事業主の委任に基づく代理。 |
試験対策ポイント
1. 保険料徴収権の時効は「2年」
労働保険料(労災・雇用)の徴収権は2年。健保・厚年も同じく2年。年金給付(国年・厚年)の受給権の時効は5年。「保険料は2年、給付は5年」で整理。
2. 督促状の指定期限は10日以上
督促状に記載する期限は発した日から10日以上。10日未満は不可。督促により時効が更新される点も重要。
3. 滞納処分の実施権者
滞納処分は都道府県労働局長が実施する(所轄労働基準監督署長ではない)。56回試験では「口座振替・保険関係の手続き」と「滞納処分・時効」が出題された。
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