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基本手当(失業給付)計算

雇保法第13・16・22条

雇用保険の被保険者が失業した際に支給される基本的な給付。離職前6ヶ月の賃金をもとに算出した賃金日額の50〜80%が、被保険者期間・年齢・離職理由に応じた「所定給付日数」分支給される。2025年4月改正により自己都合退職の給付制限が原則1ヶ月に短縮された。

給付率 50〜80% 所定給付日数 90〜360日 待期期間 7日

基本手当 計算

離職前6ヶ月の賃金総額(円) ÷ 180 = 賃金日額
離職時の年齢 65歳以上は高年齢求職者給付金の対象
被保険者期間(月数) ヶ月
離職区分
給付制限
賃金日額(概算):  円

基本手当 計算結果

離職前6ヶ月 賃金総額 3,000,000 円
賃金日額(÷ 180) 16,666 円 → 上限適用 15,020 円 上限(15,020円)
給付率 50.0% 賃金日額 15,020円 による
基本手当日額(× 給付率) 7,510 円
被保険者期間 60 ヶ月 (5〜10年 )
離職区分 一般受給資格者(自己都合・定年等)
所定給付日数 120 日
総支給見込み額 901,200 円 = 7,510 × 120日
受給までの流れ: 離職 → ハローワークに求職申込み → 待期7日(全員) → 失業認定(4週ごと)→ 基本手当 支給。受給期間は離職日の翌日から1年間

所定給付日数 参照表

特定受給資格者・特定理由離職者(会社都合等) 頻出

被保険者期間 30歳未満 30〜35歳 35〜45歳 45〜60歳 60〜65歳
1年未満 90日 90日 90日 90日 90日
1〜5年 90日 90日 90日 90日 90日
5〜10年 120日 150日 180日 180日 150日
10〜20年 180日 210日 240日 270日 210日
20年以上 240日 270日 270日 330日 240日

一般受給資格者(自己都合・定年等)

被保険者期間 1〜5年 5〜10年 10〜20年 20年以上
全年齢共通 90日 120日 150日 180日

就職困難者(障害者等)

被保険者期間 45歳未満 45歳以上65歳未満
1年未満150日150日
1年以上300日360日

試験対策ポイント

雇用保険法 第13条(受給資格) 頻出e-Gov↗

区分被保険者期間の要件
一般受給資格者離職前2年間12ヶ月以上
特定受給資格者・特定理由離職者離職前1年間6ヶ月以上

※ 被保険者期間=賃金支払基礎日数11日以上(または賃金の支払いを受けた時間数80時間以上)の月

雇用保険法 第16条(基本手当日額の計算) 頻出e-Gov↗

賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180(上限・下限あり)
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)(上限・下限あり)
年齢区分賃金日額 上限基本手当日額 上限
29歳以下13,520円6,760円
30〜44歳15,020円7,510円
45〜59歳16,740円8,370円
60〜64歳16,010円7,294円

給付制限 頻出

  • 正当な理由のない自己都合退職:待期7日 + 2ヶ月(5年間に3回目以降は3ヶ月)
  • 重責解雇(本人の責に帰すべき重大な理由):待期7日 + 3ヶ月
  • 特定受給資格者・特定理由離職者:待期7日のみ(給付制限なし)
  • 令和7年4月〜:自己都合の給付制限が原則1ヶ月に短縮(5年間2回まで)

特定受給資格者の主な要件(会社都合)

  • 倒産・事業所廃止による離職
  • 解雇(重責解雇を除く)
  • 賃金の3分の1超が支払われなかった月が3ヶ月以上
  • 労働条件が事前の明示と著しく異なっていた

受給期間と手続き

  • 受給期間:離職日の翌日から1年間(この期間内に所定給付日数を受給)
  • 待期期間:7日間(全員共通・ハローワークへの求職申込み後)
  • 失業認定:4週間ごとに認定日にハローワークへ出頭
  • 受給期間の延長:病気・妊娠・育児等で就職困難の場合、最長3年延長可

⚡ 受給中の他の給付との関係(試験頻出)

組み合わせ判断
基本手当受給中 × 教育訓練支援給付金受給不可(重複して受給できない)
基本手当受給中 × 障害年金(基礎・厚生)調整なし(障害年金は支給停止されない)
基本手当受給中 × 就業促進手当再就職後に受給可(一定要件あり)

⚡ 解雇の効力を争っている場合の基本手当(試験頻出)

  • 解雇無効を主張して不当労働行為の申立てをしている間も、失業状態にあれば基本手当を受給できる
  • 受給中に遡及して賃金が支払われた場合:支給を受けた基本手当を返還しなければならない
  • 雇用関係が継続するが賃金は支払わない旨の裁判上の和解が成立した場合:当該期間に受給した基本手当の返還義務が生じる
  • 解雇無効判決確定後、別の事業所に就職し被保険者資格を取得していた場合:前の事業所の被保険者資格取得日に遡って資格が継続していたものとして扱い、後の事業所の資格取得日に解消される

失業給付を受けたいあなたへ

退職後に雇用保険の基本手当(失業給付)を受けるには、ハローワークでの手続きが必要です。離職後すぐに手続きを始めましょう。

✅ 自己都合退職でも給付制限は令和7年4月から1ヶ月に短縮されました

令和7年4月以降、正当な理由のない自己都合退職の給付制限は、5年間で2回まで待期7日+1ヶ月に短縮されました(3回目以降は3ヶ月)。早めにハローワークに手続きに行きましょう。

✅ 会社都合(特定受給資格者)なら給付制限なし・給付日数も多め

倒産・解雇など会社都合による離職は「特定受給資格者」となり、待期7日のみで給付が始まります。また所定給付日数も一般受給資格者より長くなります。離職票の離職区分に疑問があればハローワークに確認しましょう。

✅ 4週間ごとの認定日に必ずハローワークへ出頭してください

基本手当を受けるには、4週間ごとの失業認定日にハローワークへ出頭し、求職活動の実績を報告する必要があります。認定日を無断で欠席した期間は給付されません。やむを得ない場合は事前に連絡してください。

根拠法令

雇用保険法 第13条(受給資格) e-Gov
離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上(特定受給資格者等は1年間に6ヶ月以上)あることを受給資格の要件とする。
雇用保険法 第16・17条(基本手当の日額) e-Gov
賃金日額は離職前6ヶ月の賃金総額を180で除した額。基本手当日額は賃金日額に給付率(50〜80%)を乗じた額で、上限・下限が設けられている。
雇用保険法 第22条(所定給付日数) e-Gov
所定給付日数は被保険者期間・年齢・離職理由によって90〜360日の範囲で決定される。就職困難者は150〜360日。
関連する解説ページ
過去問

第57回 択一式 一問一答

このページに関連する出題の○×解説
雇用保険法・徴収法 問4 受給期間の限度 正しいのはどれか
A
1年
× 雇保法20条:設問の各経歴を合算すると受給期間の限度は1年30日となり1年は誤り
B
1年と30日
雇保法20条:①〜⑤の経歴を積み上げると受給期間の限度は1年と30日となる(正しい)
C
1年と60日
× 雇保法20条:正しい計算結果は1年30日(1年60日は誤り)
D
4年
× 雇保法20条:正しい計算結果は1年30日(4年は誤り)
E
4年と30日
× 雇保法20条:正しい計算結果は1年30日(4年30日は誤り)
雇用保険法・徴収法 問7 解雇の効力について争いがある場合の基本手当 誤りはどれか
A
離職を認めず解雇の効力について争っているものの基本手当を受給している受給資格者が、事業所との間で雇用関係は継続するがその間賃金は支払わない旨の裁判上の和解が成立したときは、当該賃金を支払わないとされた間に支給を受けた基本手当を返還しないことができる。
× 雇保法10条の4:雇用関係継続が確認された期間に受給した基本手当は返還義務を免れない(誤り)
B
基本手当を受給している者に対し賃金支払いの仮処分命令により解雇時に遡及して賃金が支払われた場合、当該者は支給を受けた基本手当を返還しなければならない。
雇保法10条の4:遡及して賃金が支払われた場合、同期間の基本手当は返還義務あり(正しい)
C
解雇の効力について係争中に事業所が廃止となり、解雇無効の判決が確定しても原状回復の実現が不可能と認められる場合には、判決に先立って行われた資格喪失の確認処分は取り消されない。
雇保法取扱:原状回復不能が明らかな場合、資格喪失の確認処分は取消不要とされる(正しい)
D
X社を解雇された基本手当の受給資格者が、X社における解雇の効力について係争中に適用事業所であるY社に就職し一般被保険者の資格を取得した。その後、X社に係る解雇無効の判決が確定し、Y社就職中の収入を控除してX社の賃金が支払われた。この場合、Y社就職中の収入の額がX社から支払われた賃金の額以上である期間については、当該者の希望により、いずれか一方の事業主との雇用関係について被保険者資格を取得する。
雇保法:賃金相殺後に両社で資格が重複する期間は本人の希望でいずれか一方を選択(正しい)
E
労働者が事業主の行った解雇について労働組合法第7条に違反するから無効であると主張し、当該労働者が加入する労働組合が労働委員会に対して不当労働行為の申立てをしその効力を争っている場合においては、救済命令が確定するまでは、他の要件を満たす限り当該労働者は基本手当の支給を受けることができる。
雇保法:不当労働行為申立て中は解雇の効力が確定していないため要件を満たす限り受給できる(正しい)