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給付基礎日額・休業補償給付 計算

根拠法令:労働者災害補償保険法 第8条(給付基礎日額)・第14条(休業補償給付)

給付基礎日額の算定 賃金の日額換算 休業補償給付の計算

入力

基本給・残業代・通勤手当等の合計(賞与除く)

通常90〜92日(月によって異なる)

最低保障計算(日・時間給制)

最低保障額 = 賃金総額 ÷ 実労働日数 × 60/100 で計算し、原則額と比較して高い方を適用します。

部分算定日の情報

部分算定日の給付額 = max(0, 給付基礎日額×60% − その日の賃金)

プレビュー: 給付基礎日額 円 / 休業補償(60%) 円/日 / 合計支給額(80%×日数)

計算結果

給付基礎日額の算定

3ヶ月の賃金総額 900,000 円
3ヶ月の暦日数 91 日
原則額(賃金総額 ÷ 暦日数) 9,890.11 円
給付基礎日額(端数切捨) 9,890 円/日
休業補償給付(保険給付)
給付基礎日額 × 60% 5,934.07 円/日
完全休業 30 日分 178,021 円
休業補償給付 合計 178,021 円
休業特別支給金(社会復帰促進事業)
給付基礎日額 × 20% 1,978.02 円/日
対象日数(30 日) 59,340 円
休業特別支給金 合計 59,340 円

※ 特別支給金は給付ではなく「支給金」のため社会保険上の扱いが異なります。

合計支給額(保険給付 + 特別支給金)
休業補償給付(60%) 178,021 円
休業特別支給金(20%) 59,340 円
合計(実質 給付基礎日額の 80%) 237,361 円
参考:待期期間(最初の3日間)の事業主補償
給付基礎日額 × 60% × 3日(労基法第76条) 17,802 円

※ 労災保険の休業補償給付は第4日目から。最初の3日間(待期期間)は、
事業主が労働基準法第76条に基づき平均賃金の60%を補償する義務があります。

試験対策ポイント

給付基礎日額の算定方法(労災法第8条・労基法第12条)e-Gov↗

賃金形態計算方法最低保障
月給・週給制 3ヶ月賃金総額 ÷ 3ヶ月の暦日数 なし(原則のみ)
日給・時間給制 3ヶ月賃金総額 ÷ 3ヶ月の暦日数 賃金総額 ÷ 実労働日数 × 60/100(高い方を適用)
複合賃金 それぞれの方法で算定し合算 同上(日・時間給部分のみ)

※ 賞与・臨時賃金は含めない。3ヶ月に満たない期間の場合は実際の期間で計算。

休業補償給付の支給要件(労災法第14条)e-Gov↗

  1. 業務上の傷病による療養中であること
  2. 労働不能であること(完全または一部)
  3. 賃金を受けないこと(賃金を受ける日は不支給)
  4. 第4日目から支給(最初の3日間=待期期間は事業主補償)

支給額の構造(保険給付 + 特別支給金)

種類根拠法性格
休業補償給付60%労災法第14条保険給付(所得補償)
休業特別支給金20%特別支給金規則社会復帰促進事業(受給者に有利)
合計80%実質的な手取り補填率
待期期間(事業主)60%×3日労基法第76条事業主の法的義務

※ 特別支給金は「給付」ではなく「支給金」のため、損益相殺の対象にならない(通達で整理)。

部分算定日(一部就労した日)の取扱い

  • その日の賃金 < 給付基礎日額×60%
    (給付基礎日額×60% − 実賃金)を支給(差額補填方式)
  • その日の賃金 ≥ 給付基礎日額×60%
    0円(賃金のみで補填されるため不支給)
  • その日の賃金 ≥ 給付基礎日額
    → その日は「休業日」に該当しない

⚡ 休業手当と休日の関係(労基法第26条・試験頻出)e-Gov↗

使用者の責に帰すべき事由による休業期間中であっても、労働協約・就業規則・労働契約により休日と定められている日は休業手当の対象外。休日は元々就労義務がないため、休業手当(平均賃金の60%)を支払う必要はない。

⚡ 懲戒処分(出勤停止)中の休業補償給付

出勤停止の懲戒処分を受けた場合でも、業務上の傷病による労働不能であれば休業補償給付は支給される。出勤停止処分によって雇用契約上の賃金請求権がなくなっても、それとは別に業務上傷病を原因とする休業補償給付の支給要件を満たす。
※「出勤停止処分中は休業補償給付を受けられない」とする記述は誤り

⚡ 休業特別支給金の申請タイミング

休業特別支給金の支給申請は、休業補償給付の請求と同時に行うことができる(請求後に行わなければならないわけではない)。実務上も同時申請が一般的。

給付基礎日額のスライド制(労災法第8条の2〜4)e-Gov↗

  • 年金給付:四半期ごとに賃金変動をスライド(ただし年金額が増加する方向のみ)
  • 年金給付基礎日額:年齢階層別の最低・最高限度額がある(毎年厚労省告示)
  • 一時金給付:スライドなし(算定事由発生時の給付基礎日額のまま)
  • 長期療養者は年金と同様の調整(長期家族補償加算等)

業務上のケガ・病気で休業中のあなたへ

仕事中や通勤中のケガ・病気で働けなくなった場合は、労災保険から休業補償給付が支給されます。給付基礎日額の60%(特別支給金20%と合わせて実質80%)が支給されますが、申請しなければ受け取れません。

✅ 休業4日目から支給されます(最初の3日間は会社が補償)

労災保険の休業補償給付は第4日目から支給されます。最初の3日間(待期期間)は事業主が平均賃金の60%を補償する義務があります(労基法第76条)。

✅ 会社が申請を渋っても、本人が直接申請できます

労災申請の手続きは原則として労働者本人が行います。事業場を管轄する労働基準監督署に「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を提出します。会社が申請に協力しない場合でも、労基署に直接相談できます。

✅ 休業特別支給金も同時に申請しましょう

保険給付(60%)に加えて、休業特別支給金(20%)を同時に申請できます。合計で給付基礎日額の80%を受け取れます。申請書類は監督署の窓口で確認してください。

根拠法令

労働者災害補償保険法 第14条・第8条 e-Gov
休業(補償)給付(給付基礎日額の60%・休業4日目から)と休業特別支給金(20%)を規定。給付基礎日額は直前3ヶ月の賃金を暦日数で除した日額。待期3日間は事業主が補償(労基法第76条)。
関連する解説ページ
過去問

第57回 択一式 一問一答

このページに関連する出題の○×解説
労働者災害補償保険法・徴収法 問4 休業補償給付 正しいのはどれか
A
第1種特別加入者の給付基礎日額として厚生労働大臣が定める額は、その最高額が25,000円であり、その最低額が2,000円である。
× 第1種特別加入者の給付基礎日額の最低額は3,500円(法33条・特別加入省令)。2,000円とする点が誤り。
B
労災保険法第8条の2第2項は、業務災害により休業補償給付を支給すべき事由が生じた日が当該休業補償給付に係る療養を開始した日から起算して3年を経過した日以後の日である場合において、同条同項各号のいずれかに該当するときは、当該休業補償給付を受けるべき者の休業給付基礎日額は、当該者の基準日(当該休業補償給付を受けるべき者の当該休業補償給付を支給すべき事由が生じた日の属する四半期の初日)における年齢の属する年齢階層について厚生労働大臣が定めた額とする旨規定している。
× 法8条の2第2項の「基準日」は給付事由発生日の属する年度の前年度の末日(4月1日)が基準であり、四半期の初日ではない点が誤り。
C
休業補償給付は、労働者が業務上の傷病により療養のため労働不能の状態にあって賃金を受けることができない場合であっても、出勤停止の懲戒処分を受けたために雇用契約上の賃金請求権を有しない場合には支給されない。
× 業務上傷病による労働不能が原因であれば、懲戒処分による賃金請求権の不発生は支給要件を妨げない(法14条・行政解釈)。
D
休業特別支給金の支給対象となる日について休業補償給付を受けることができる者は、当該休業特別支給金の支給申請を、当該休業補償給付の請求後に行わなければならない。
× 休業特別支給金の申請は休業補償給付の請求と同時に行うことができる(特別支給金規則3条)。請求後でなければならないわけではない。
E
休業補償給付を受ける労働者が、同一の事由について厚生年金保険法に基づく障害厚生年金又は国民年金法に基づく障害基礎年金を受けることができるときは、当該労働者に支給する休業補償給付の額は、当該障害厚生年金又は当該障害基礎年金と傷病補償年金との調整について定める率を用いて算定されるが、当該算定された額が労災保険法施行令第1条第1項で定める額を下回る場合には、同条同項で定める額となる。
法14条の2・施行令1条1項。他制度給付との調整後も最低保障額を下回る場合は最低保障額が支給される。正しい。