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高額療養費 計算

健康保険法 第115条 / 令和6年度
所得区分で上限が変わる 多数回該当で上限軽減 健保版高額療養費

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年齢区分
標準報酬月額の等級区分。住民税非課税者は「オ」または「低所得」を選択。
医療費
保険適用となる医療費の合計(患者自己負担 + 保険者負担)。食事療養費・差額ベッド代等は除く。
同一年度内(8月〜翌7月)に3回以上限度額を超えた場合、4回目から軽減限度額が適用

計算結果

総医療費 1,000,000 円
保険者負担(7割) 700,000 円
窓口自己負担(3割) 300,000 円
自己負担限度額 87,430 円
80,100円 +(1,000,000円 − 267,000円)× 1%
高額療養費支給額 212,570 円
実質自己負担額 87,430 円

自己負担限度額 一覧(令和6年度)

70歳未満
区分 標準報酬月額の目安 自己負担限度額 多数回該当 自己負担割合
標準報酬月額83万円以上 252,600円+(総医療費−842,000円)×1% 140,100円 3割
標準報酬月額53〜79万円 167,400円+(総医療費−558,000円)×1% 93,000円 3割
標準報酬月額28〜50万円 80,100円+(総医療費−267,000円)×1% 44,400円 3割
標準報酬月額26万円以下 57,600円 44,400円 3割
住民税非課税者 35,400円 24,600円 3割
70〜74歳
区分 所得の目安 外来+入院 限度額 外来のみ上限 多数回 自己負担割合
現3 標準報酬月額83万円以上 252,600円+(総医療費−842,000円)×1% ─円 140,100円 3割
現2 標準報酬月額53〜79万円 167,400円+(総医療費−558,000円)×1% ─円 93,000円 3割
現1 標準報酬月額28〜50万円 80,100円+(総医療費−267,000円)×1% ─円 44,400円 3割
一般 一般(現役並み以外) 57,600円 18,000円 44,400円 2割
低2 住民税非課税 24,600円 8,000円 24,600円 2割
低1 住民税非課税・特に低所得 15,000円 8,000円 15,000円 2割

※ 70〜74歳 一般区分の外来のみは年間上限144,000円あり。75歳以上(後期高齢者)は別制度。

試験対策ポイント(健康保険法 第115条)

高額療養費の仕組み(第115条)e-Gov↗

同一月(1日〜末日)の自己負担額が自己負担限度額を超えた場合、超えた分が高額療養費として支給される。 限度額適用認定証を提示すれば、窓口での支払いを限度額までに抑えられる(現物給付化)。

70歳未満の区分(令和6年度)

所得区分はア〜オの5区分。ア〜ウは「基礎控除額+(総医療費−閾値)×1%」の計算式(高額になるほど限度額も増加)。 エ(26万円以下)は57,600円の定額。オ(住民税非課税)は35,400円。

多数回該当(第115条第2項)e-Gov↗

同一年度内(8月〜翌7月)に3回以上高額療養費が支給された場合、4回目から多数回限度額(通常の限度額より低い)が適用される。 区分ウの例:通常80,100円+1% → 多数回44,400円。

世帯合算・合算高額療養費

同一世帯・同一月の自己負担を合算し、限度額を超えた部分が支給(21,000円以上の自己負担分のみ合算対象、70歳未満)。 70歳以上は全額合算可能。

算入されない費用

①入院時食事療養費の標準負担額 ②差額ベッド代 ③保険外診療(自由診療) ④正常分娩費用。 これらは高額療養費の対象外で、自己負担限度額の計算に含めない。

高額療養費を申請する方へ

高額療養費は申請しなければ支給されません。病院で多額の医療費を支払った場合、健保組合・協会けんぽへの申請が必要です。

✅ 事前の準備:限度額適用認定証

入院前に限度額適用認定証を申請・提示すれば、窓口での支払いが最初から限度額以内に収まります(現物給付化)。
マイナンバーカードを保険証として使用している場合は、医療機関窓口で情報提供に同意すれば認定証なしで限度額適用が受けられます。

✅ 支払い後の申請:2年以内であれば請求可能

すでに窓口で3割負担を支払った場合でも、支払日の翌日から2年以内であれば高額療養費を請求できます。
申請先:加入している健保組合・協会けんぽ・共済組合の窓口または郵送で。

✅ 家族の医療費も合算できる(世帯合算)

同じ月に家族(同一世帯)が別の病院にかかった場合、各自の自己負担を合算して限度額を超えた分が支給されます(70歳未満は21,000円以上の自己負担分のみ合算対象)。
合算するには同一の健康保険に加入していることが必要です。

根拠法令

健康保険法 第115条 e-Gov
同月内の自己負担額の合計が上限額を超えた場合に超過分を支給する高額療養費を規定。上限額は標準報酬月額に基づく5区分。多数回該当(3回目以降は上限が下がる)・世帯合算による軽減措置あり。
関連する解説ページ
過去問

第57回 択一式 一問一答

このページに関連する出題の○×解説
健康保険法 問6 国庫補助・被扶養者・自賠責保険・高額療養費(マイナ保険証) 正しいのはどれか
A
国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の全部を補助することができる。
× 健保法第153条。国庫補助は特定健康診査等費用の「一部」であり、「全部」とする記述は誤り。
B
健康保険法における被扶養者とは、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他健康保険法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者はこの限りではない。厚生労働省令で定める者とは、日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において2年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものをいう。
× 健保法施行規則。短期観光滞在者等の省令規定について滞在期間等の記述内容が実際の規定と異なるため誤り。
C
被保険者が、事業主夫婦の寝室に侵入し、就寝中の両人及び使用人に傷害を与えて、現場にて自殺した場合、被保険者の自殺による死亡は故意に基づく事故であり、自殺による埋葬料は支給されない。
× 健保法第116条。給付制限は故意による傷病等が対象で、埋葬料は死亡を給付事由とするため故意による死亡でも支給される。
D
自動車事故による被害を受けた場合の医療保険の給付と自動車損害賠償保障法に基づく自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)による給付の関係について、加害者が不明のひき逃げ等の場合や自賠責保険の補償の範囲を超える賠償義務が発生した場合には、被害者の加入する医療保険の保険者が給付を行ったとしても、その保険者は求償する相手先がないケースや結果的に求償が困難なケースが生じるので、医療保険の保険者は、求償する相手先がないことや結果的に求償が困難であることから医療保険の給付を行わない。
× 健保法第57条。求償困難を理由に保険給付を拒否することはできない。保険者は給付を行い代位取得した請求権で求償するのが正しい。
E
高額療養費制度において、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いの免除については、限度額適用認定証等を提示した場合だけではなく、健康保険証としての利用登録を行ったマイナンバーカード(以下「マイナ保険証」という。)により保険資格の確認を行う場合についても対象となっており、マイナ保険証を利用する場合には、医療機関等の窓口において、限度額適用認定証等を提示せずとも、自己負担限度額を超える一部負担金の支払いが免除される。
健保法第75条の2。マイナ保険証による限度額適用認定証不要の窓口負担上限免除の正しい規定。
健康保険法 問10 一部負担金の減免・高額療養費・選定療養・被扶養者の要件 誤りはどれか
A
保険者は、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けた被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金を減額することや一部負担金の支払を免除すること、保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予することができるが、一部負担金等の徴収猶予については当該被保険者の申請により、6か月以内の期間を限って行うものとされている。
健保法第75条の2。災害等による一部負担金減免・徴収猶予(6か月以内)の正しい規定。
B
同一の月に同一の保険医療機関において、入院中に脳神経外科で手術し、退院後に外来で脳神経内科を受診した場合、高額療養費の算定上、同一の保険医療機関で受けた療養とみなされる。
× 高額療養費算定上、入院と外来は別々に算定されるため、同一医療機関でも入院・外来が同一とみなされるとする記述は誤り。
C
不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、近年高額の医療費がかかる不妊治療に要する費用に対する助成や支援が拡充され、令和4年度からは一般不妊治療や生殖補助医療が新たに保険適用されたところであるが、医療上必要があると認められない、患者の都合による精子の凍結又は融解を行った場合には健康保険法における選定療養の対象とされる。
健保法第63条第2項・告示。患者都合による精子凍結・融解は医療上必要性なしとして選定療養の対象となる正しい規定。
D
被保険者(年収300万円)と同居している母(58歳、障害者ではない。)は、年額100万円の遺族年金を受給しながらパートタイム労働者として勤務しているが、健康保険の被保険者にはなっていない。このとき、母のパートタイム労働者としての給与の年間収入額が120万円であった場合、母は当該被保険者の被扶養者になることができない。
健保法第3条第7項。母の総収入(遺族年金100万+給与120万=220万円)が130万円基準を超えるため被扶養者不可。正しい。
E
被保険者(年収500万円)と別居している単身世帯の父(68歳、障害者ではない。)が、日本国内に住所を有するものであって、年額130万円の老齢年金を受給しながら被保険者から年額150万円の援助を受けている場合には、父は当該被保険者の被扶養者になることができる。なお、父は老齢年金以外の収入はないものとする。
健保法第3条第7項。別居の場合、収入(130万円)が仕送り額(150万円)未満であれば被扶養者認定可。正しい。