概要
離婚時の年金分割チェック
厚年法第78条の2(3号分割)・同第78条の6(合意分割) / 分割対象となる標準報酬額を試算します
離婚時に年金記録を分割
合意分割・3号分割
元配偶者の厚年保険料が対象
試験対策
試験対策ポイント
- 離婚時の年金分割:婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬)を分割する制度(2007年4月施行)
- 合意分割:当事者の合意(または裁判)で分割割合を決定。最大1/2まで分割可能
- 3号分割:2008年4月以降の第3号被保険者期間は請求のみで1/2分割(合意不要)
- 請求期限:離婚等をした日の翌日から2年以内(時効・不変期間)
- 分割された標準報酬は老齢厚生年金の計算に使用。障害年金・遺族年金には影響しない
当事者視点
離婚を検討・経験しているあなたへ
年金分割の手続きと注意点を確認しましょう。離婚後2年以内の請求が必要です。
✅ 離婚後2年以内に年金分割の請求を行わないと権利が消滅します
年金分割の請求期限は離婚した日の翌日から2年です。この期限を過ぎると請求できなくなります。
まず年金事務所で「情報通知書」を取得し、分割可能な標準報酬の金額を確認してから
話し合いまたは裁判所の手続きを進めることをお勧めします。
✅ 2008年4月以降の第3号被保険者期間は合意不要で1/2分割できます
配偶者の扶養に入っていた期間(第3号被保険者期間)については、
2008年4月以降の部分について相手の同意なく1/2の分割を請求できます(3号分割)。
年金事務所に請求書を提出するだけで手続きが完了します。
✅ 分割後の年金は老齢厚生年金として65歳(繰上可)から受け取れます
分割を受けた標準報酬は、受給権者本人の老齢厚生年金に加算されます。
分割された年金を受け取るには自分自身の老齢年金の受給権が必要です。
また分割しても相手の年金額が減るだけで自分の基礎年金には影響しません。
法令
根拠法令
厚生年金保険法 第78条の2〜第78条の14
e-Gov
離婚時の年金分割(合意分割・3号分割)を規定。婚姻期間中の標準報酬を按分して分割。合意分割は上限50%、3号分割は50%固定。
過去問
第57回 択一式 一問一答
このページに関連する出題の○×解説
厚生年金保険法 問2
合意分割 誤りはどれか
A
甲と乙は離婚したが、合意分割の請求前に甲が死亡した。その後、乙は、甲の死亡した日から起算して15日目に、所定の事項が記載された公正証書を添えて合意分割の請求を行った。この場合、甲が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。
○
厚年法第78条の2第2項。一方当事者の死亡後30日以内の請求は死亡日前日に請求があったとみなす正しい規定。
B
合意分割の按分割合について当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときには、当事者の申立てにより、家庭裁判所が請求すべき按分割合を定めることができるが、この申立ては当事者の一方のみによってすることができる。
○
厚年法第78条の2第3項。家庭裁判所への申立ては当事者の一方のみで可能とする正しい規定。
C
当事者又はその一方は、原則として、実施機関に対し、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができるが、標準報酬改定請求後にはこの請求を行うことができない。
○
厚年法第78条の4。情報提供請求は標準報酬改定請求前に限られ、請求後は不可とする正しい規定。
D
対象期間標準報酬総額の算定において、対象期間の全部又は一部が平成15年4月1日前であるときは、同日前の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額に1.3を乗じて得た額並びに同日以後の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(厚生年金保険法第26条第1項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあっては、当該従前標準報酬月額)及び標準賞与額に、それぞれ当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額が当該対象期間標準報酬総額とされる。
○
厚年法第78条の2第1項。平成15年4月前の標準報酬月額に1.3を乗じる調整を含む標準報酬総額算定の正しい規定。
E
老齢厚生年金の受給権者について、合意分割の標準報酬の改定又は決定が行われたときは、当該標準報酬の改定又は決定が行われた日の属する月の翌月から、年金の額が改定される。
×
厚年法第78条の6。合意分割による年金額の改定時期は改定が行われた日の属する月からであり、「翌月から」とする記述は誤り。