育児休業給付はいくらもらえる?計算の仕組みと注意点を事例で解説
2026年4月 | カテゴリ:実務
育児休業中の最大の不安は「収入がなくなること」です。しかし実際には、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されるため、一定の収入は確保できます。給付額は「育休前の賃金の67%(開始から180日)または50%(181日以降)」が基本ですが、計算の仕組みや注意点を正確に知っておかないと、実際に振り込まれる金額に驚くことがあります。この記事では、給付の仕組みと実際の計算方法を事例とともに解説します。
受給要件:誰がもらえるの?
育児休業給付金を受け取るには、主に以下の要件を満たす必要があります。雇用保険の被保険者であることが大前提です。パート・アルバイトでも週20時間以上勤務していれば雇用保険に加入するため、給付の対象になります。ただし、育休開始前の2年間に11日以上勤務した月が12ヶ月以上あることが必要です。
① 雇用保険の被保険者であること
② 育休開始前2年間に「みなし被保険者期間」が12ヶ月以上あること
③ 育休中に就業している日数が月10日以下(または就業時間が80時間以下)であること
④ 育休中に会社から支払われる賃金が休前賃金の80%未満であること
給付額の計算方法
給付額の基準となるのは「休業開始時賃金日額」です。これは、育休開始前6ヶ月の賃金総額を180で割った金額です。賞与は含まれません。この日額に「支給日数(最大30日)」と「給付率」を掛けて1ヶ月分の給付額が算出されます。
休業開始時賃金日額 = 育休前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180
月額給付金 = 賃金日額 × 30日 × 給付率(67% または 50%)
| 期間 | 給付率 | 実質の手取りへの影響 |
|---|---|---|
| 育休開始〜180日目 | 67% | 社会保険料も免除されるため、手取りベースでは約80%相当になることが多い |
| 181日目〜育休終了 | 50% | 社会保険料免除込みで約60〜65%相当 |
事例で計算してみよう
月給30万円の人が1年間の育児休業を取得した場合を例に計算します。
賃金日額:300,000円 × 6ヶ月 ÷ 180 = 10,000円
開始〜180日(約6ヶ月):10,000円 × 30日 × 67% = 201,000円/月
181日〜12ヶ月:10,000円 × 30日 × 50% = 150,000円/月
※育休中は健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料が免除されるため、実際の手取りは給付金額より多くなります。
上記の例では、育休前の手取り(約24万円前後)と比べると減少しますが、保険料免除の効果で最初の6ヶ月は手取りの約80〜85%程度を維持できるケースが多いです。ただし、住民税は免除されないため注意が必要です。
パパ育休(産後パパ育休)と給付金
2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度が始まりました。子の出生後8週間以内に最大28日間、通常の育休とは別に取得できる制度です。この期間中も「出生時育児休業給付金」として賃金の67%が給付されます。さらに2025年4月からは、一定要件を満たす場合に給付率が最大80%に引き上げられる「育児休業給付の強化」も実施されています。
社労士試験では、給付率の変更タイミング(180日)・支給単位期間・就業可能日数の上限・パパ育休との関係が頻出の出題ポイントです。特に2025年の法改正による給付率引き上げは第58回試験での出題が見込まれます。
まとめ
育児休業給付金は「育休開始〜180日は67%、181日以降は50%」が基本です。計算の基準となる「賃金日額」は直前6ヶ月の賃金を180で割った額であり、賞与は含まれません。育休中の社会保険料免除と合わせると、手取りベースでの実質的な保障はより手厚くなります。詳細な計算はサイト内の計算ツールをご利用ください。