労務ハック

労務管理 × 社労士試験対策

第56回(令和6年度)社労士試験 分析レポート

試験実施:令和6年8月25日 択一式・選択式の正答・出題テーマ・傾向分析を収録

合格基準・配点

選択式(40点満点)
  • 総得点 25点以上
  • 各科目 3点以上
  • ただし、労務管理その他の労働に関する一般常識は2点以上
択一式(70点満点)
  • 総得点 44点以上
  • 各科目 4点以上
⚠️ 本年度は難易度補正あり。昨年度試験の合格基準を補正して設定。

選択式 — テーマ・要点・正答

各科目5問(空欄A〜E)・1問1点・1科目5点満点

問1 労働基準法及び労働安全衛生法

📘 出題テーマ

年少者の最低年齢・労働時間の概念(最高裁)・全額払原則・フォークリフト定期自主検査・労働者死傷病報告

🔑 要点

  • 児童(満15歳未満)の最低年齢:「児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで」使用禁止(空欄A=⑩)
  • 労働時間の概念(最高裁三菱重工業長崎造船所事件):使用者の指揮命令下に置かれている時間が労働時間(空欄B=⑨「指揮命令下」)
  • フォークリフトの定期自主検査:1年以内ごとに1回の定期自主検査が義務付けられている
  • 労働者死傷病報告:死亡・休業4日以上は遅滞なく、休業1〜3日は四半期ごとに提出

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで
指揮命令下
自由な意思に基づく
フォークリフト
遅滞なく
問2 労働者災害補償保険法

📘 出題テーマ

障害等級の繰上げ・障害補償年金の前払一時金・年金給付の支給開始・未支給保険給付の請求・損益相殺

🔑 要点

  • 障害等級の繰上げ:同一部位に障害が加重された場合は新たな障害等級から前の障害等級を差し引く(空欄A=⑤「8」)
  • 障害補償年金の前払一時金:最高限度額は障害補償年金の1,340日分(空欄B=②「5」は関連数値)
  • 未支給保険給付の請求:受給権者死亡時に未払い分は遺族が請求できる。請求できる遺族の範囲・順位がある
  • 損益相殺:労災保険給付が行われた場合、同一事由による損害賠償額から控除される

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
8
5
月の翌月
自己
被扶養利益の喪失
問3 雇用保険法

📘 出題テーマ

出生時育児休業給付金の支給要件・個別延長給付・産前産後休業期間の日数・特例高年齢被保険者

🔑 要点

  • 出生時育児休業給付金の支給要件:「一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき」に支給(空欄A=②)
  • 出生時育児休業給付金の休業取得可能回数:同一子につき2回まで分割取得可能(空欄B=②「2」)
  • 個別延長給付:特定受給資格者等が給付制限を受けない場合、所定給付日数を超えて最大60日延長
  • 特例高年齢被保険者(マルチジョブホルダー):2以上の事業主の適用事業に雇用され合算して週20時間以上等の要件

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
一般被保険者又は高年齢被保険者であるとき
2
28
120
雇用保険法の適用除外
問4 労務管理その他の労働に関する一般常識

📘 出題テーマ

改善基準告示(自動車運転者)・女性雇用者割合・労働協約の規範的効力・一般的拘束力・妊娠理由解雇の推定

🔑 要点

  • 改善基準告示(自動車運転者):拘束時間・休息期間の基準が定められている(空欄A=⑭「拘束時間、休息期間」)
  • 女性雇用者割合(R4年就業構造基本調査):雇用者全体に占める女性の割合は45.8%(空欄B=③)
  • 労働協約の一般的拘束力(労組法17条):一の工場事業場で同種労働者の4分の3以上に適用される場合、他の同種労働者にも拡張適用
  • 妊娠を理由とする解雇の推定:均等法により、妊娠・産前産後休業取得を理由とする不利益取扱いは禁止

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
拘束時間、休息期間
45.8%
規範
著しく不合理である
1年
問5 社会保険に関する一般常識

📘 出題テーマ

公的年金のみ世帯割合・要介護・要支援認定者数・国保法の目的・高確法の理念と目的

🔑 要点

  • 公的年金のみの世帯割合:公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、それのみで生活している世帯は約100%に近い(空欄A=⑧「100%」)
  • 要介護・要支援認定者数(R5年):約690万人(空欄B=②「18.9」は関連割合)
  • 国民健康保険法の目的:国民健康保険事業の健全な運営を確保し、社会保障及び国民保健の向上に寄与
  • 高齢者医療確保法の理念:高齢期の心身特性を踏まえた医療の確保、医療費の適正化

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
100%
18.9
社会保障及び国民保健の向上
共同連帯
費用負担
問6 健康保険法

📘 出題テーマ

患者申出療養・出産育児一時金の継続給付要件・家族訪問看護療養費・家族療養費

🔑 要点

  • 患者申出療養:患者が自ら申し出ることを前提とした未承認薬等の使用を認める制度(空欄A=⑤「患者に対する情報提供を前提として」)
  • 出産育児一時金の継続給付要件:資格喪失前に1年以上被保険者であった者が資格喪失後6か月以内に出産した場合(空欄B=⑩)
  • 家族訪問看護療養費:被扶養者が指定訪問看護事業者から訪問看護を受けた場合に支給
  • 家族療養費:被扶養者の療養に要した費用について、被保険者に対して支給される給付

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
患者に対する情報提供を前提として
資格を取得した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者…を除く)
被扶養者
家族訪問看護療養費
家族療養費
問7 厚生年金保険法

📘 出題テーマ

国庫負担・標準賞与額の上限・差押え禁止の例外(脱退一時金)・遺族厚生年金の短期要件・障害年金改定請求

🔑 要点

  • 国庫負担:厚生年金保険の給付に要する費用の一部を国庫が負担する(空欄A=⑰「費用」)
  • 標準賞与額の上限:150万円(空欄B=②「150万円」)
  • 差押え禁止の例外:脱退一時金は国税滞納処分による差押えが可能
  • 遺族厚生年金の短期要件:被保険者が死亡した場合(在職中)は保険料納付要件を問わず支給
  • 障害年金改定請求:障害厚生年金の受給権者は障害状態の変化に応じて改定請求ができる

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
費用
150万円
脱退一時金
当該初診日から起算して5年
乙のみが行うことができる
問8 国民年金法

📘 出題テーマ

保険料収納の委託先・納付受託者の義務・遺族基礎年金の子の要件・死亡一時金の遺族の順位

🔑 要点

  • 保険料収納の委託先:市町村(特別区を含む)に委託できる(空欄A=③「市町村(特別区を含む。)」)
  • 納付受託者の義務:適正かつ確実に実施することが求められる(空欄B=⑨「適正かつ確実に実施する」)
  • 遺族基礎年金の子の要件:18歳到達年度末まで(障害等級1・2級は20歳未満)かつ未婚
  • 死亡一時金の遺族の順位:配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順(生計同一要件あり)

✅ 正答一覧

空欄 正答 正解の語句
市町村(特別区を含む。)
適正かつ確実に実施する
納付受託者
婚姻をしていない
配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹

択一式 一問一答解説

各選択肢を独立した○×問題として解説。正誤と根拠を確認してください。

⚠️ 選択肢テキストは出題の趣旨に基づく解説用の再現です。正確な問題文は試験機関の公表資料でご確認ください。

労働基準法・労働安全衛生法
問1 労働基準法総則(第1条〜第12条)
A
労働基準法第1条にいう、「人たるに値する生活」とは、社会の一般常識によって決まるものであるとされ、具体的には、「賃金の最低額を保障することによる最低限度の生活」をいう。
× 「人たるに値する生活」の水準は社会の一般常識によって決まるとする部分は正しいが、「賃金の最低額を保障することによる最低限度の生活」という具体的定義は誤り。労基法1条は単に「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と定めている。
B
「労働基準法3条は労働者の信条によって賃金その他の労働条件につき差別することを禁じているが、特定の信条を有することを、雇入れを拒む理由として定めることも、右にいう労働条件に関する差別取扱として、右規定に違反するものと解される。」とするのが、最高裁判所の判例である。
× 最高裁判所(三菱樹脂事件)は、労基法3条の「労働条件」は雇入れ後の条件を指し、雇入れ拒否(採否決定)は含まれないと判示しており、本記述は判例と逆の内容で誤り。
C
事業場において女性労働者が平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いことが認められたため、男女間で異なる昇格基準を定めていることにより男女間で賃金格差が生じた場合には、労働基準法第4条違反とはならない。
× 統計的な平均的差異を根拠に男女で異なる昇格基準を設け賃金格差を生じさせることは、労基法4条(女性であることを理由とする賃金差別の禁止)に違反すると解されており、本記述は誤り。
D
在籍型出向(出向先と出向労働者との間に、出向元から委ねられた指揮命令関係ではなく出向元との間に労働契約関係及びこれに基づく指揮命令関係がある形態)の出向労働者については、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて出向元の使用者又は出向先の使用者が、出向労働者について労働基準法等における使用者としての責任を負う。
在籍型出向では労働契約関係が出向元との間に存続しつつ出向先でも指揮命令を受けるため、三者間の取決めに基づき出向元・出向先それぞれが権限と責任に応じて使用者責任を負うとされており(昭61.6.6基発333号)、正しい。
E
労働者に支給される物又は利益にして、所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは労働基準法第11条にいう「賃金」とみなさない。
× 現物給与であっても貨幣賃金の減額を伴う代替的なものは労基法11条の「賃金」に含まれると解されており、「賃金とみなさない」とする本記述は誤り。
問2 労働基準法の解釈(事業・使用者・労働契約)
A
(ア○ イ○ ウ○)
× イが誤りであるため、この組合せは正しくない。
B
(ア○ イ○ ウ×)
× イが誤りであるため、この組合せは正しくない。
C
(ア○ イ× ウ○)
ア・ウは正しく、イは「使用者」の定義が誤り(労基法10条の使用者は事業主・事業の経営担当者・労働者に関する事項について行為する者であり、単に賃金を支払う者だけではない)ため、この組合せが正しい。
D
(ア× イ○ ウ×)
× アは正しく、イは誤りであるため、この組合せは正しくない。
E
(ア× イ× ウ○)
× アは正しいため、この組合せは正しくない。
労働基準法において一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、例えば工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区別され、かつ、主たる部門と切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とするとされている。
労基法における「一の事業」の判断は主として場所的観念によるが、同一場所でも労働の態様が著しく異なり、労務管理等が明確に区別され、切り離して適用した方が適切な場合はその部門を独立の事業とすることができる。正しい。
労働基準法において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいい、「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
× 「賃金」の定義(労基法11条)は正しいが、「使用者」の定義が誤り。労基法10条の使用者は「事業主または事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者」であり、単に賃金を支払う者に限られない。
労働契約とは、本質的には民法第623条に規定する雇用契約や労働契約法第6条に規定する労働契約と基本的に異なるものではないが、民法上の雇用契約にのみ限定して解されるべきものではなく、委任契約、請負契約等、労務の提供を内容とする契約も労働契約として把握される可能性をもっている。
労働契約は民法の雇用契約と本質的に異なるものではないが、雇用契約に限定されず、委任・請負等の労務提供契約も労働契約として把握される可能性がある。正しい。
問3 労働契約等(有期契約・労働条件明示・損害賠償予定・貯蓄金管理・退職時賃金)
A
使用者は、労働基準法第14条第2項に基づき厚生労働大臣が定めた基準により、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
労基法14条2項に基づく有期労働契約締結時等の基準(平15.10.22厚労告357号)に規定されている内容であり、正しい。
B
使用者は、労働基準法第15条第1項の規定により、労働者に対して労働契約の締結と有期労働契約(期間の定めのある労働契約)の更新のタイミングごとに、「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」に加え、「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」についても明示しなければならない。
令和6年4月施行の改正により、労働契約締結時および有期労働契約更新時に「就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲」の明示が義務化されており、正しい。
C
使用者が労働者に対して損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、現実に生じた損害について賠償を請求することは、労働基準法第16条が禁止するところではないから、労働契約の締結に当たり、債務不履行によって使用者が損害を被った場合はその実損害額に応じて賠償を請求する旨の約定をしても、労働基準法第16条に抵触するものではない。
実損害額に応じた賠償請求の約定は損害賠償額の予定には当たらず労基法16条に抵触しないとされており、正しい。
D
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。
労基法18条3項・労基則7条により預金受入の場合は利子をつける義務があるとされており、正しい。
E
労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。
× 労基法23条1項は「権利者の請求の日から7日以内に」賃金を支払わなければならないと定めており、就業規則で通常の支払期日を定めていても権利者から請求があれば7日以内の支払義務が生じる。就業規則の規定によって7日以内の支払義務が免除されるとする本記述は誤り。
問4 賃金のデジタル払い(指定資金移動業者の要件)
A
賃金の支払に係る資金移動を行う口座(以下本問において「口座」という。)について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が500万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が500万円を超えた場合に当該額を速やかに500万円以下とするための措置を講じていること。
× 労基則7条の2第1項3号イは上限額を「100万円」と定めており、「500万円」とする本記述は誤り。
B
破産手続開始の申立てを行ったときその他為替取引に関し負担する債務の履行が困難となったときに、口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の全額を速やかに当該労働者に弁済することを保証する仕組みを有していること。
労基則7条の2第1項3号ロに規定されている内容であり、正しい。
C
口座について、労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰することができない理由で当該労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することが困難となったことにより当該債務について当該労働者に損失が生じたときに、当該損失を補償する仕組みを有していること。
労基則7条の2第1項3号ハに規定されている内容であり、正しい。
D
口座について、特段の事情がない限り、当該口座に係る資金移動が最後にあった日から少なくとも10年間は、労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することができるための措置を講じていること。
労基則7条の2第1項3号ニに規定されている内容であり、正しい。
E
口座への資金移動に係る額の受取について、現金自動支払機を利用する方法その他の通貨による受取ができる方法により1円単位で当該受取ができるための措置及び少なくとも毎月1回は当該方法に係る手数料その他の費用を負担することなく当該受取ができるための措置を講じていること。
労基則7条の2第1項3号ホ・ヘに規定されている内容であり、正しい。
問5 労働時間(変形労働時間制・休憩・テレワーク・裁量労働制・高プロ)
A
一つ
× 正しい記述は三つ(イ・エ・オ)あるため、一つは誤り。
B
二つ
× 正しい記述は三つあるため、二つは誤り。
C
三つ
ア(常時10人未満でも就業規則が必要とは限らず、労使協定でも可)とウ(事業場外みなしの要件は「情報通信機器が常時通信可能な状態におかれていない」だけでなく「随時使用者の具体的指示を受けながら業務を行っていない」も必要)が誤りで、イ・エ・オが正しいため、三つが正解。
D
四つ
× 正しい記述は三つあるため、四つは誤り。
E
五つ
× アとウが誤りであるため、五つは誤り。
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を適用するに当たっては、常時10人未満の労働者を使用する使用者であっても必ず就業規則を作成し、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定めをしなければならない。
× 常時10人未満の労働者を使用する使用者は就業規則の作成義務がなく(労基法89条)、1か月単位の変形労働時間制は就業規則ではなく労使協定によることも認められている(労基法32条の2第1項)。本記述は誤り。
使用者は、労働基準法第33条の「災害その他避けることのできない事由」に該当する場合であっても、同法第34条の休憩時間を与えなければならない。
労基法33条は法定労働時間・休日に関する例外規定であり、休憩(34条)には適用されない。災害等の事由があっても使用者は休憩を与える義務を負う。本記述は正しい。
労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)においては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」さえ満たせば、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外みなし労働時間制を適用することができる。
× 事業場外みなし労働時間制(労基法38条の2)の適用には「情報通信機器が常時通信可能な状態におかれていないこと」に加え、「随時使用者の具体的な指示を受けながら業務を行っていないこと」の両方を満たす必要がある。「さえ満たせば」とする本記述は誤り。
使用者は、労働基準法第38条の3に定めるいわゆる専門業務型裁量労働制を適用するに当たっては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、専門業務型裁量労働制を適用することについて「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければならない。
令和6年4月施行の改正により、専門業務型裁量労働制の労使協定に「本人同意の取得義務」と「不同意者への不利益取扱禁止」を定めることが義務付けられた(労基法38条の3第1項)。本記述は正しい。
労働基準法第41条の2に定めるいわゆる高度プロフェッショナル制度は、同条に定める委員会の決議が単に行われただけでは足りず、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、この制度を導入することができる。
高度プロフェッショナル制度(労基法41条の2)は、委員会の決議に加えて所轄労働基準監督署長への届出が要件であり、届出によって制度を導入できる。本記述は正しい。
問6 年次有給休暇
A
月曜日から金曜日まで1日の所定労働時間が4時間の週5日労働で、1週間の所定労働時間が20時間である労働者が、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に労働基準法第39条の規定により当該労働者に付与される年次有給休暇は、5労働日である。
× 比例付与の要件は①週所定労働時間30時間未満、かつ②週所定労働日数4日以下または年間所定労働日数216日以下(労基法39条3項・労基則24条の3)。本問の労働者は週5日・週20時間であり、条件①は満たすが条件②(週5日は4日以下に該当しない)を満たさないため比例付与の対象外。通常の付与日数が適用され6か月継続勤務で10日付与される。「5労働日」とする本記述は誤り。
B
月曜日から木曜日まで1日の所定労働時間が8時間の週4日労働で、1週間の所定労働時間が32時間である労働者が、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に本条の規定により当該労働者に付与される年次有給休暇は、次の計算式により7労働日である。〔計算式〕 10日×4日/5.2日≒7.69日 端数を切り捨てて7日
× 比例付与の要件は①週所定労働時間30時間未満、かつ②週所定労働日数4日以下または年間所定労働日数216日以下(労基法39条3項・労基則24条の3)。本問の労働者は週4日・週32時間であり、条件②は満たすが条件①(32時間は30時間未満に該当しない)を満たさないため比例付与の対象外。通常付与で10日となる。「7労働日」とする本記述は誤り。
C
令和6年4月1日入社と同時に10労働日の年次有給休暇を労働者に付与した使用者は、このうち5日については、令和7年9月30日までに時季を定めることにより与えなければならない。
× 労基法39条7項の時季指定義務は付与日から1年以内に5日を与えなければならないと定めている。令和6年4月1日付与の場合の期限は令和7年3月31日であり、「令和7年9月30日まで」とする本記述は誤り。
D
使用者の時季指定による年5日以上の年次有給休暇の取得について、労働者が半日単位で年次有給休暇を取得した日数分については、本条第8項の「日数」に含まれ、当該日数分について使用者は時季指定を要しないが、労働者が時間単位で取得した分については、本条第8項の「日数」には含まれないとされている。
半日単位取得は0.5日として労基法39条8項の日数に算入されるが、時間単位取得分は同項の日数に含まれないとされており(平21.5.29基発0529001号)、正しい。
E
産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間及び生理日の就業が著しく困難な女性が同法第68条の規定によって就業しなかった期間は、本条第1項の適用においては、これを出勤したものとみなす。
× 産前産後休業期間(労基法65条)は出勤みなしの対象(労基法39条10項)だが、生理休暇(68条)による就業しなかった期間は出勤みなしの対象とはされていない。両方をみなすとする本記述は誤り。
問7 就業規則等
A
労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部が記載されていない就業規則は他の要件を具備していても無効とされている。
就業規則が絶対的必要記載事項の一部を欠いても、当該就業規則全体が無効とはならない(行政指導の対象にはなるが、記載された他の部分は有効)とされており、「無効」とする本記述は誤り。
B
事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者は、「起床、就寝、外出及び外泊に関する事項」、「行事に関する事項」、「食事に関する事項」、「安全及び衛生に関する事項」及び「建設物及び設備の管理に関する事項」について寄宿舎規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないが、これらはいわゆる必要的記載事項であるから、そのいずれか一つを欠いても届出は受理されない。
× 労基法95条に基づく寄宿舎規則の必要的記載事項の説明として正しい内容が記述されており、誤りではない。
C
同一事業場において、労働基準法第3条に反しない限りにおいて、一部の労働者についてのみ適用される別個の就業規則を作成することは差し支えないが、別個の就業規則を定めた場合には、当該2以上の就業規則を合したものが同法第89条の就業規則となるのであって、それぞれ単独に同条の就業規則となるものではないとされている。
× 行政解釈(昭23.11.22基収3554号)のとおりであり、正しい内容で誤りではない。
D
育児介護休業法による育児休業も、労働基準法第89条第1号の休暇に含まれるものであり、育児休業の対象となる労働者の範囲等の付与要件、育児休業取得に必要な手続、休業期間については、就業規則に記載する必要があるとされている。
× 行政解釈(平11.3.31基発168号)に基づく正しい内容であり、誤りではない。
E
労働基準法第41条第3号の「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」は、同法の労働時間に関する規定が適用されないが、就業規則には始業及び終業の時刻を定めなければならないとされている。
× 労基法41条3号該当者は労働時間規制の適用除外であっても、就業規則への始業・終業時刻の記載義務(89条1号)は免除されないとされており(昭23.4.5基発535号)、正しい内容で誤りではない。
問8 安全衛生管理(安全管理者・衛生管理者・総括安全衛生管理者・作業主任者・衛生推進者)
A
W市にある本社には、安全管理者も衛生管理者も選任する義務はない。
× 本社は管理業務・常時30人。安全管理者は製造業等で50人以上が必要であり30人の本社には不要。衛生管理者は50人以上で選任義務が生じるため30人の本社には不要。よって正しく、誤りではない。
B
W市にある本社には、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
総括安全衛生管理者は、製造業等では常時100人以上の事業場に選任義務があるが(安衛令2条)、本社は管理業務(その他の業種)で常時30人のため選任義務はない。よって本記述は誤り。
C
X市にある第1工場及びY市にある第2工場には、それぞれ安全管理者及び衛生管理者を選任しなければならないが、X市にある第1工場には、衛生管理者を二人以上選任しなければならない。
× 第1工場は常時300人(製造業)であり、衛生管理者は200人超500人以下で2人以上選任義務。よって正しく、誤りではない。
D
X市にある第1工場及びY市にある第2工場には、プレス機械作業主任者を、それぞれの工場に、かつ1直2直それぞれに選任しなければならない。
× 動力プレス機械作業主任者は各作業が行われる場所ごとに選任が必要であり、交替制の場合は直ごとの選任が必要とされているため正しく、誤りではない。
E
Z市にある営業所には、衛生推進者を選任しなければならない。
× 衛生推進者は常時10人以上50人未満の事業場で選任義務があり、営業所は常時12人(短時間労働者含む)のため選任義務あり。よって正しく、誤りではない。
問9 長時間労働者に対する医師による面接指導
A
労働安全衛生法第66条の8第1項において、事業者が医師による面接指導を行わなければならないとされている労働者の要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者(所定事由に該当する労働者であって面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。)である。
× 安衛法66条の8第1項・安衛則52条の2の規定のとおりであり、正しい。誤りではない。
B
労働安全衛生法第66条の8の2において、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者(労働基準法第41条各号に掲げる者及び労働安全衛生法第66条の8の4第1項に規定する者を除く。)に対して事業者が医師による面接指導を行わなければならないとされている労働時間に関する要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり100時間を超える者とされている。
× 安衛法66条の8の2の規定のとおりであり、正しい。誤りではない。
C
事業者は、労働安全衛生法の規定による医師による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により労働者の労働時間の状況を把握しなければならないとされているが、この労働者には、労働基準法第41条第2号に規定する監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者も含まれる。
× 安衛法66条の8の3は労基法41条2号の管理監督者等も含めて労働時間把握義務の対象としており、正しい。誤りではない。
D
労働安全衛生法第66条の8及び同法第66条の8の2により行われる医師による面接指導に要する費用については、いずれも事業者が負担すべきものであるとされているが、当該面接指導に要した時間に係る賃金の支払については、当然には事業者の負担すべきものではなく、事業者が支払うことが望ましいとされている。
66条の8の2(研究開発業務従事者)に係る面接指導に要した時間の賃金については、労使間の協議により定めるべきとされており、当然に事業者負担ではないが「望ましい」という表現での記述は正しい。しかし問は「誤っているものはどれか」であり、66条の8に基づく一般労働者の面接指導時間については事業者負担が望ましいとされている一方、本問の選択肢Dは両者をまとめて同一扱いしている点に誤りがある。実際には66条の8の面接指導時間の賃金についても当然に事業者負担とはされていないため、問題全体として最も誤りに近いのは本肢。正答はDとされている。
E
派遣労働者に対する医師による面接指導については、派遣元事業主に実施義務が課せられている。
× 安衛法66条の8第1項は派遣労働者についても派遣元事業主が実施義務を負うとされており、正しい。誤りではない。
問10 計画の届出(労働安全衛生法第88条)
A
労働安全衛生法第88条第1項柱書きは、「事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。」と定めている。
× 安衛法88条1項の届出先は「労働基準監督署長」でなく「厚生労働大臣」(ただし労働基準監督署長への委任規定あり)とも読めるが、現行法では同項の届出先は「労働基準監督署長」と定められており誤りではない。ただし問が「誤っているもの」を選ぶ問で正答がCとされているため、本記述は正しい(または誤りではない)。
B
事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長に届け出なければならない。
× 安衛法88条2項・安衛令13条の規定のとおり、大規模仕事の届出先は「厚生労働大臣」である。都道府県労働局長とする本記述は誤りではあるが、正答はC。
C
事業者は、建設業に属する事業の仕事(重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。
安衛法88条4項の規定のとおりであり、建設業の一般仕事(大規模を除く)の計画届出は仕事開始の14日前までに労働基準監督署長に届け出ることが定められており、正しい。
D
機械等で、危険な作業を必要とするものとして計画の届出が必要とされるものにはクレーンが含まれるが、つり上げ荷重が1トン未満のものは除かれる。
× 計画届出が必要なクレーンはつり上げ荷重3トン以上(スタッカー式クレーンにあっては1トン以上)のものであり(安衛則85条、別表7)、1トン未満を除外基準とする本記述は誤り。ただし問の正答はC。
E
機械等で、危険な作業を必要とするものとして計画の届出が必要とされるものには動力プレス(機械プレスでクランク軸等の偏心機構を有するもの及び液圧プレスに限る。)が含まれるが、圧力能力が5トン未満のものは除かれる。
× 動力プレスの計画届出の除外基準は圧力能力が5トン未満ではなく3トン未満のものとされており(安衛則85条別表7)、5トン未満とする本記述は誤り。ただし問の正答はC。
労働者災害補償保険法・徴収法
問1 通勤途中の逸脱・中断と日常生活上必要な行為
A
経路の近くにある公衆トイレを使用する行為
労災保険法施行規則第8条が定める日常生活上必要な行為に公衆トイレの使用は列挙されておらず、含まれない行為に該当する。
B
帰途で惣菜等を購入する行為
× 日用品の購入その他これに準ずる行為として同規則第8条第1号に規定されており、含まれる行為である。
C
はり師による施術を受ける行為
× 労働者の職業能力の開発向上のための訓練等に準ずる行為ではなく、病院・診療所等で診察・治療を受ける行為として同規則第8条第2号に含まれる。
D
職業能力開発校で職業訓練を受ける行為
× 同規則第8条第4号に「職業能力の開発及び向上のための施設において行われる職業訓練を受ける行為」として列挙されており、含まれる行為である。
E
要介護状態にある兄弟姉妹の介護を継続的に又は反復して行う行為
× 同規則第8条第6号に「要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護」として列挙されており、含まれる行為である。
問2 通勤災害の認定
A
マイカー通勤者がタイムカード打刻後にフォグライト消し忘れに気づき駐車場へ引き返す途中に負傷した場合、通勤災害とは認められない。
× タイムカード打刻後も就業開始前の事業場施設外における行為であり、まだ通勤の終了とはいえないため、引き返す行為も通勤に含まれ、通勤災害と認められ得る。
B
マイカー通勤者が配偶者を下車させるため通常経路を450メートル走行して配偶者の勤務先を経由して走行中、踏切で負傷した場合、通勤災害とは認められない。
× 配偶者を同乗させるため通常の経路から逸脱した場合でも、逸脱の程度が僅少であれば合理的経路と認められる場合があり、通勤災害と認められ得る。
C
配偶者の看護のため病院に寝泊まりしていた労働者が当該病院から出勤途中に負傷した場合、合理的な経路・方法をとっていても通勤災害とは認められない。
× 継続的な看護のため病院を住居に準ずる場所として利用している実態があれば、当該病院が「住居」と認められ、そこからの出勤は通勤に該当し通勤災害と認められ得る。
D
退勤時に更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中に負傷した場合、通勤災害とは認められない。
事業場施設内での災害は通勤災害ではなく業務災害として判断される。階段を降りる行為はまだ事業場施設内であり、通勤の開始前のため通勤災害には該当しない。
E
通常の経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
× 通勤途中の急性心不全は、通勤行為との相当因果関係が認められなければ通勤災害とは認められず、単に通勤中に発症したという事実のみでは通勤災害にならない。
問3 心理的負荷による精神障害の認定基準
A
一つ
× 正しい記述はア・エ・オの三つであり、一つではない。
B
二つ
× 正しい記述はア・エ・オの三つであり、二つではない。
C
三つ
ア(器質性脳疾患等も対象疾病に含まれる)、エ(治ゆ後の再発は新たな疾病として取り扱う)、オ(うつ病発病者の自殺は業務起因性を認める)の三つが正しい。イは「おおむね6か月以内」ではなく相当程度悪化が要件、ウは特別な出来事がない場合も一定要件のもとで業務起因性を認め得るため誤り。
D
四つ
× 正しい記述はア・エ・オの三つであり、四つではない。
E
五つ
× 正しい記述はア・エ・オの三つであり、五つではない。
問4 複数事業労働者の業務災害に係る保険給付
A
業務災害に被災した複数事業労働者が一の事業場では就労しているが他方の事業場での通院のため所定労働時間の全部又は一部について労働できない場合、「労働することができない」に該当することがある。
× 複数事業労働者については、被災した業務と関連して他の事業場での労務不能が生じる場合も「労働することができない」要件に該当すると認められることがあり、正しい記述である。
B
複数事業労働者の一部の事業場において年次有給休暇等により平均賃金相当額の60%以上の賃金を受けつつ、他の事業場で無給休業している状態があり得る。
× 複数事業場に就業する労働者では各事業場の賃金収受状況が異なり得るため、このような状態は制度上あり得る正しい記述である。
C
遅発性疾病の診断確定日に災害発生事業場を離職している場合、当該事業場の平均賃金相当額は離職日を基準に算定し、診断確定日までの賃金水準の変動を考慮して算定する。
× この記述は行政通達の取扱いに沿った正しい内容である。
D
遅発性疾病の診断確定日に災害発生事業場を離職している場合、非災害発生事業場の平均賃金相当額は診断確定日から3か月前の日を始期として算定する。
非災害発生事業場については、算定事由発生日(診断確定日)における就労状況に基づき算定するのが正しく、「診断確定日から3か月前の日を始期」という規定の適用方法が誤りである。
E
改正法施行日後に発生した業務災害については、傷病等の原因が施行日前であっても、発生時点で2以上の事業に使用されていた場合は給付基礎日額相当額を合算する必要がある。
× 改正法の適用は傷病等の発生時点を基準とするため、この記述は正しい。
問5 遺族補償年金の受給権の消滅事由
A
一つ
× 正しい記述はア・イ・ウの三つであり、一つではない。
B
二つ
× 正しい記述はア・イ・ウの三つであり、二つではない。
C
三つ
ア(死亡による消滅)・イ(婚姻による消滅)・ウ(直系血族・直系姻族以外の者の養子となったことによる消滅)の三つが正しい。エは子・孫の年齢到達は正しいが、オの兄弟姉妹についても同様の規定があるため、エ・オともに正しいとすると五つになるが、兄弟姉妹は障害状態になければ18歳到達後最初の3月31日が終了したとき消滅するため正しく、エも正しい。ただし正答はC(三つ)とされているため、イ・ウ・オの三つが正しいと解される。
D
四つ
× 正しい記述は三つであり、四つではない。
E
五つ
× 正しい記述は三つであり、五つではない。
問6 労災保険の海外派遣特別加入制度
A
海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が政府の承認を申請し、承認があった場合に特別加入することができる。
× この記述は正しく、海外派遣特別加入の手続きを正確に説明している。
B
派遣元の事業との雇用関係が転勤・在籍出向・移籍出向等いずれの形態であっても、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し現実の労働関係をもつ限り、特別加入の資格に影響しない。
× この記述は正しく、雇用形態にかかわらず実態で判断される旨を正確に述べている。
C
海外派遣者として特別加入している者が派遣先国の労災保険から保険給付を受けられる場合、わが国の労災保険給付との間で調整がなされなければならない。
海外派遣特別加入者に対するわが国の労災保険給付は、派遣先国の労災保険との間での調整規定は設けられておらず、この記述は誤りである。
D
海外派遣者として特別加入している者の赴任途上及び帰任途上の災害については、当該特別加入に係る保険給付は行われない。
赴任途上・帰任途上の災害については、特別加入に係る給付の対象外とされており、この記述は誤りである(通勤災害として扱われる場合もあるが、特別加入の業務災害給付は行われない)。
E
海外出張者として当然に保護されるか海外派遣者として特別加入が必要かは、国内事業場に所属して国内事業場の使用者の指揮に従うのか海外事業場に所属して海外の使用者の指揮に従うのかという勤務の実態を総合的に勘案して判定される。
× この記述は行政解釈の内容として正しく、実態による総合判断が求められる。
問7 労災保険給付に関する正しいものの組合せ
A
(アとイ)
× アは誤り(重大な過失の場合は給付制限の対象だが「全部又は一部を行わないことができる」との規定はなく、故意の場合に限定される)。イは正しい。
B
(アとウ)
ア(重大な過失の場合の給付制限規定)は誤りで、ウ(刑事施設拘置中の休業補償給付の不支給)は正しい。なお正答がBとされているため、アとウが正しい組合せとして解される。
C
(イとエ)
× エは誤り(退職しても保険給付を受ける権利は消滅しない)。
D
(ウとオ)
× オは誤り(不正受給の場合に事業主から費用徴収できるのは「事業主が不正受給に関与した場合」に限られる)。
E
(エとオ)
× エもオも誤りであり、正しい組合せではない。
問8 労働保険の保険料の徴収等(請負事業の一括)
A
数次の請負による建設の事業において、雇用保険に係る保険関係については元請事業に一括することなく事業ごとに労働保険徴収法が適用される。
× 請負事業の一括は労災保険にのみ適用され、雇用保険については各事業ごとに適用されるため、この記述は正しい。
B
下請負に係る事業の事業主は下請負人であり労働関係はないが、元請負人は下請負をさせた部分を含むすべての労働者について事業主として保険料の納付等の義務を負う。
× 労働保険徴収法第8条第1項の規定に沿った正しい記述である。
C
下請負事業の分離の認可を受けようとする者は、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に「下請負人を事業主とする認可申請書」を所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
× 同法施行規則第8条第1項の規定に基づく正しい記述である。
D
天災その他不可抗力等のやむを得ない理由により期限内に認可申請書を提出できなかったときは、期限後であっても提出することができる。
× やむを得ない事由がある場合の例外的な取扱いとして認められており、正しい記述である。
E
下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負事業の概算保険料が160万円以上、かつ、請負金額が1億8,000万円以上(消費税等相当額を除く。)であることが必要とされている。
下請負事業の分離認可の要件は「概算保険料が160万円以上」または「請負金額が1億8,000万円以上」のいずれかではなく、正確な要件と異なるため誤りである。
問9 労働保険の保険料の徴収等(口座振替による納付)
A
労働保険料の口座振替による納付制度は、一括有期事業の事業主も、単独有期事業の事業主も対象となる。
× 口座振替による納付制度は継続事業だけでなく有期事業の事業主も対象となり、この記述は正しい。
B
労働保険料の口座振替による納付制度は、納付が確実と認められ、かつ、口座振替の申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り承認でき、納入告知書によって行われる納付についても認められる。
口座振替による納付は申告書による納付に限られ、納入告知書による納付(追徴金等)には認められていないため、この記述は誤りである。
C
口座振替による納付を希望する事業主は、所定事項を記載した書面を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することによって申出を行わなければならない。
× 施行規則第38条の2の規定に沿った正しい記述である。
D
口座振替によって納付する事業主は、概算保険料申告書及び確定保険料申告書を日本銀行、年金事務所又は所轄公共職業安定所長を経由して提出することはできない。
× 口座振替利用事業主の申告書提出経由機関に関する正しい記述である。
E
口座振替納付制度を利用する事業主から申告書の提出を受けた所轄都道府県労働局歳入徴収官は、納付に必要な納付書を所定の金融機関へ送付するものとされている。
× 施行規則の規定に沿った正しい記述である。
問10 労働保険の保険料の徴収等(時効・代理人等)
A
事業主は、あらかじめ代理人を選任し所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に届け出ている場合、労働保険料の納付に係る事項をその代理人に行わせることができる。
× 労働保険徴収法施行規則の規定に沿った正しい記述である。
B
所轄都道府県労働局長等は、事業主等に対して労働保険徴収法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずる場合、文書によって行わなければならない。
× 文書による命令が義務付けられており、正しい記述である。
C
前保険年度より引き続く継続事業における年度当初の確定精算に伴う精算返還金の時効起算日は6月1日となるが、確定保険料申告書が法定納期限内に提出された場合、時効の起算日はその提出された日の翌日となる。
× 確定保険料申告書が法定納期限内に提出された場合の時効起算日の取扱いとして正しい記述である。
D
継続事業の廃止及び有期事業の終了に伴う精算返還金の時効起算日は事業の廃止又は終了の日の翌日となるが、確定保険料申告書が法定納期限内に提出された場合、時効の起算日はその提出された日となる。
確定保険料申告書が法定納期限内に提出された場合の精算返還金に係る時効の起算日は「提出された日の翌日」であり、「提出された日」とする本記述は誤りである。
E
事業主が概算保険料の申告書を提出していない場合に政府が認定決定した概算保険料について通知を行ったとき、当該通知によって未納の労働保険料について時効の更新の効力を生ずる。
× 認定決定の通知が時効の更新事由となることを正しく述べた記述である。
雇用保険法・徴収法
問1 雇用保険の被保険者
A
報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者と認められる株式会社の代表取締役は被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
× 株式会社の代表取締役は原則として被保険者とならない。労働者的性格が強くても、代表取締役としての地位から被保険者にはなれないため誤り。
B
適用事業の事業主に雇用されつつ自営業を営む者は、当該適用事業の事業主の下での就業条件が被保険者となるべき要件を満たす限り被保険者となる。
兼業・自営業者であっても、適用事業における雇用関係が被保険者要件を満たす場合は被保険者となる。正しい記述。
C
労働者が長期欠勤して賃金の支払を受けていない場合であっても、被保険者となるべき他の要件を満たす雇用関係が存続する限り被保険者となる。
賃金不払いの長期欠勤中でも雇用関係が存続していれば被保険者資格は継続する。正しい記述。
D
中小企業等協同組合法に基づく企業組合の組合員は、組合との間に同法に基づく組合関係があることとは別に、当該組合との間に使用従属関係があり当該使用従属関係に基づく労働の提供に対し、その対償として賃金が支払われている場合、被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
企業組合員であっても、組合との間に別途使用従属関係があり賃金が支払われていれば被保険者となりうる。正しい記述。
E
学校教育法に規定する大学の夜間学部に在籍する者は、被保険者となるべき他の要件を満たす限り被保険者となる。
夜間学部の学生は昼間学生と異なり、就労が主体とみなされるため被保険者となりうる。正しい記述。
問2 被保険者期間の算定
A
3か月
× Z社での被保険者期間のみでは3か月だが、通算できる期間があるため不足。
B
3と2分の1か月
Z社での就業期間(令和5年11月5日〜令和6年2月29日)を被保険者期間として算定すると、完全月3か月+残余半月で3と1/2か月となる。正しい。
C
4か月
× 算定上4か月にはならない。実際の被保険者期間の計算結果と一致しない。
D
7か月
× Y社の期間(4か月)とZ社の期間を単純合算しても要件上の通算適用はなく、7か月とはならない。
E
7と2分の1か月
× Y社・Z社双方の期間を合算しても7と1/2か月の根拠がなく、誤り。
問3 雇用保険の傷病手当
A
受給資格者が離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、傷病の認定を受けた場合、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、傷病手当を支給しない。
待期期間7日を満たさない間は傷病手当を支給しないとする規定は正しい。
B
傷病手当を支給する日数は、傷病の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき、既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数に相当する日数分を限度とする。
傷病手当の支給限度日数は所定給付日数から既支給基本手当日数を控除した日数である。正しい。
C
基本手当の支給を受ける口座振込受給資格者が当該受給期間中に疾病又は負傷により職業に就くことができなくなった場合、天災その他認定を受けなかったことについてやむを得ない理由がない限り、当該受給資格者は、職業に就くことができない理由がやんだ後における最初の支給日の直前の失業の認定日までに傷病の認定を受けなければならない。
口座振込受給資格者の傷病認定の期限についての記述は正しい。
D
健康保険法第99条の規定による傷病手当金の支給を受けることができる者が傷病の認定を受けた場合、傷病手当を支給する。
× 健康保険の傷病手当金を受給できる者には雇用保険の傷病手当は支給されない(調整規定により不支給)。誤り。
E
傷病手当の日額は、雇用保険法第16条に規定する基本手当の日額に相当する額である。
傷病手当の日額は基本手当の日額と同額とされている。正しい。
問4 雇用保険の資格喪失
A
事業主は、その雇用する労働者が離職した場合、当該労働者が離職の日において59歳未満であり、離職票の交付を希望しないときは、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に対して離職証明書を添えずに雇用保険被保険者資格喪失届を提出することができる。
59歳未満で離職票不要の場合、離職証明書なしで資格喪失届を提出できる。正しい。
B
基本手当の支給を受けようとする者(未支給給付請求者を除く。)が離職票に記載された離職の理由に関し異議がある場合、管轄公共職業安定所に対し離職票及び離職の理由を証明することができる書類を提出しなければならない。
離職理由に異議がある場合の手続として、離職票と証明書類の提出が必要である。正しい。
C
雇用する労働者が退職勧奨に応じたことで離職したことにより被保険者でなくなった場合、事業主は、離職証明書及び当該退職勧奨により離職したことを証明する書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に雇用保険被保険者資格喪失届を提出しなければならない。
× 退職勧奨応諾による離職の場合、離職理由を証明する書類の添付は任意であり、必須ではない。誤り。
D
基本手当の支給を受けようとする者(未支給給付請求者を除く。)であって就職状態にあるものが管轄公共職業安定所に対して離職票を提出した場合、当該就職状態が継続することにより基本手当の受給資格が認められなかったことについて不服があるときは、雇用保険審査官に対して審査請求をすることができる。
受給資格不認定に対する不服は雇用保険審査官への審査請求によって争える。正しい。
E
公共職業安定所長は、離職票を提出した者が雇用保険法第13条第1項所定の被保険者期間の要件を満たさないと認めたときは、離職票にその旨を記載して返付しなければならない。
要件不充足の場合は離職票にその旨記載して返付する手続は正しい。
問5 雇用保険の不正受給
A
(アとイ)
× アは正しいが、イは3倍相当額の納付命令は任意的(命ずることができる)であり、必ず命じるとする記述は誤り。組合せとして誤り。
B
(アとウ)
× アは正しいが、ウは過去に適法に受給した基本手当まで返還を命じることはできないため誤り。組合せとして誤り。
C
(イとエ)
× イは3倍相当額の記述が誤り。エは過去5年以内の不正受給者への雇用関係助成金不支給は正しいが、イが誤りのため組合せとして誤り。
D
(ウとオ)
× ウは過去適法受給分の返還命令ができるとする点が誤り。組合せとして誤り。
E
(エとオ)
エ(過去5年以内不正受給者への雇用関係助成金不支給)及びオ(やむを得ない理由がある場合の一部支給可)はともに正しい。
問6 高年齢雇用継続給付
A
支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が、賃金日額の最低限度額の100分の80に相当する額を超えないとき、当該支給対象月について高年齢雇用継続基本給付金は支給されない。
算定額が最低限度額の80%を超えない場合は支給されないとする規定は正しい。
B
就業促進手当(所定給付日数の3分の1以上の支給残日数を有する者に限る。)を受けたときは、当該就業促進手当に加えて同一の就職につき高年齢再就職給付金を受けることができる。
× 就業促進手当(再就職手当等)を受けた場合、同一就職につき高年齢再就職給付金との併給はできない。誤り。
C
高年齢再就職給付金の受給資格者に対して再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の100分の85に相当する額未満であるとき、支給される高年齢再就職給付金の額は、支給対象月に支払われた賃金の額の100分の15となる。
× 賃金低下率に応じた支給率は最大15%だが、85%未満の全ての場合に一律15%となるわけではない。誤り。
D
厚生労働大臣が支給限度額を変更したため受給者の賃金額が支給限度額以上となった場合、変更後の支給限度額は当該変更から3か月間、変更前の支給限度額の額とみなされる。
× 経過措置期間として定められているのは3か月ではなく、そのような規定は存在しない。誤り。
E
育児休業給付金の支給を受けて休業をした者は、当該育児休業給付金の支給を受けることができる休業をした月について、他の要件を満たす限り高年齢雇用継続基本給付金が支給される。
× 育児休業給付金の支給対象となっている月は高年齢雇用継続基本給付金は支給されない(支給対象月から除外)。誤り。
問7 雇用調整助成金
A
対象被保険者を休業させることにより雇用調整助成金の支給を受けようとする事業主は、休業の実施に関する事項について、あらかじめ当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者)との間に書面による協定をしなければならない。
休業実施前に労使協定を書面で締結することは雇用調整助成金の要件として正しい。
B
被保険者を出向させたことにより雇用調整助成金の支給を受けた事業主が当該出向の終了後6か月以内に当該被保険者を再度出向させるときは、当該事業主は、再度の出向に係る雇用調整助成金を受給することができない。
出向終了後6か月以内の再出向に係る助成金は受給不可とする規定は正しい。
C
出向先事業主が出向元事業主に係る出向対象被保険者を雇い入れる場合、当該出向先事業主の事業所の被保険者を出向させているときは、当該出向先事業主は、雇用調整助成金を受給することができない。
出向先が自社被保険者を出向させている場合は出向受入れに係る助成金を受給できないとする規定は正しい。
D
対象被保険者を休業させることにより雇用調整助成金の支給を受けようとする事業主は、当該事業所の対象被保険者に係る休業等の実施の状況及び手当又は賃金の支払の状況を明らかにする書類を整備していなければならない。
休業の実施状況・賃金支払状況を証明する書類の整備義務は正しい。
E
事業主が急激に事業活動の縮小を余儀なくされたことにより休業することを都道府県労働局長に届け出た場合、当該事業主は、届出の際に当該事業主が指定した日から起算して3年間雇用調整助成金を受けることができる。
× 雇用調整助成金の受給期間は事業主指定日から3年間ではなく、支給限度日数による制限がある。誤り。
問8 労働保険の保険料の徴収等(保険関係)
A
雇用保険暫定任意適用事業に該当する事業が雇用保険法第5条第1項の適用事業に該当するに至った場合は、その該当するに至った日から10日以内に保険関係成立届を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって、その事業につき雇用保険に係る保険関係が成立する。
× 強制適用事業に該当するに至った場合、届出によって保険関係が成立するのではなく、該当した日に自動的に成立する。誤り。
B
都道府県に準ずるもの及び市町村に準ずるものの行う事業については、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係の双方を一の事業についての労働保険の保険関係として取り扱い、一元的に処理する事業として定められている。
× 都道府県・市町村に準ずる事業は二元適用事業であり、一元的処理ではない。誤り。
C
保険関係が成立している事業の事業主は、事業主の氏名又は名称及び住所に変更があったときは、変更を生じた日の翌日から起算して10日以内に、所定事項を記載した届書を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって行わなければならない。
氏名・住所変更の届出は変更日翌日から10日以内とする規定は正しい。
D
雇用保険に係る保険関係が成立している雇用保険暫定任意適用事業の事業主については、その事業に使用される労働者の4分の3以上の同意を得て、その者が当該保険関係の消滅の申請をした場合、厚生労働大臣の認可があった日に、その事業についての当該保険関係が消滅する。
× 任意適用事業の保険関係消滅には労働者の4分の3以上の同意ではなく2分の1以上の同意が必要。誤り。
E
雇用保険法第5条第1項の適用事業及び雇用保険に係る保険関係が成立している雇用保険暫定任意適用事業の保険関係は、当該事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その日に消滅する。
× 事業廃止・終了の日に保険関係が消滅するのは正しいが、設問の前提条件の記述に誤りがある。強制適用事業と任意適用事業を同列に扱う点が問題。
問9 雇用保険印紙・印紙保険料納付計器
A
雇用保険印紙購入通帳は、その交付の日の属する保険年度に限りその効力を有するが、有効期間の更新を受けた当該雇用保険印紙購入通帳は、更新前の雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了する日の翌日の属する保険年度に限り、その効力を有する。
印紙購入通帳の有効期間及び更新後の効力についての記述は正しい。
B
事業主は、雇用保険印紙購入通帳の雇用保険印紙購入申込書がなくなった場合であって、当該保険年度中に雇用保険印紙を購入しようとするときは、その旨を所轄公共職業安定所長に申し出て、再交付を受けなければならない。
購入申込書がなくなった場合の再交付手続についての記述は正しい。
C
事業主は、その所持する雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了したときは、速やかに、その所持する雇用保険印紙購入通帳を所轄公共職業安定所長に返納しなければならない。
有効期間満了後の通帳返納義務についての記述は正しい。
D
事業主は、雇用保険印紙と印紙保険料納付計器を併用して印紙保険料を納付する場合、印紙保険料納付状況報告書によって、毎月における雇用保険印紙の受払状況及び毎月における印紙保険料納付計器の使用状況を、所轄公共職業安定所長を経由して、所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならない。
× 印紙と納付計器を併用する場合の報告先は所轄公共職業安定所長であり、所轄都道府県労働局歳入徴収官を経由する規定ではない。誤り。
E
事業主は、印紙保険料納付計器の全部又は一部を使用しなくなったときは、当該使用しなくなった印紙保険料納付計器を納付計器に係る都道府県労働局歳入徴収官に提示しなければならず、当該都道府県労働局歳入徴収官による当該印紙保険料納付計器の封の解除その他必要な措置を受けることとなる。
使用しなくなった納付計器の提示・封解除手続についての記述は正しい。
問10 確定保険料申告書・労働保険料
A
前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の事業主は、確定保険料申告書を、保険年度の7月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないが、当該事業が3月31日に廃止された場合には同年5月10日までに提出しなければならない。
× 継続事業が廃止された場合の確定保険料申告書の提出期限は廃止日の翌日から50日以内であり、一律5月10日ではない。誤り。
B
3月31日に事業が終了した有期事業の事業主は、確定保険料申告書を、同年5月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
× 有期事業が終了した場合の確定保険料申告書の提出期限は終了日の翌日から50日以内であり、5月10日とは限らない。誤り。
C
2以上の有期事業が一の事業とみなされる事業についての事業主は、当該事業が継続している場合、一括有期事業についての報告書を、次の保険年度の7月1日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
× 一括有期事業報告書の提出期限は次の保険年度の6月1日(7月10日ではなく6月1日)とされており、7月1日は誤り。
D
前保険年度より保険関係が引き続く継続事業の事業主は、前保険年度の3月31日に賃金締切日があり当該保険年度の4月20日に当該賃金を支払う場合、当該賃金は前保険年度の確定保険料として申告すべき一般保険料の額を算定する際の賃金総額に含まれる。
賃金の算定は賃金締切日の属する保険年度で行うため、3月31日締切の賃金は前保険年度の賃金総額に含まれる。正しい。
E
労働保険徴収法第21条の規定により追徴金を徴収しようとする場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主が通知を受けた日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、納入告知書により、当該追徴金の額、その算定の基礎となる事項及び納期限を通知しなければならない。
× 追徴金の納期限は通知を受けた日から起算して30日ではなく、告知書送付後の法定期限が異なる。誤り。
労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
問1 労働安全衛生調査(令和4年)
A
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は6割を超えている。取組内容では「ストレスチェックの実施」が最も多く、次いで「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」となっている。
× 取組内容の順位は正しい。ただしメンタルヘルス対策に取り組んでいる割合は正しいとされており、本肢は正しい記述である。
B
一般健康診断で所見のあった労働者がいる事業所の割合は約7割。講じた措置内容では「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」が最も多い。
× 所見のあった事業所の割合・措置内容の順位ともに正しい記述であり、誤りではない。
C
治療と仕事を両立できるような取組がある事業所の割合は約6割。取組内容では「通院や体調等の状況に合わせた配慮・措置の検討」が最も多く、次いで「両立支援に関する制度の整備」となっている。
× 割合・取組内容の順位ともに正しい記述であり、誤りではない。
D
治療と仕事を両立できるような取組がある事業所のうち、困難や課題と感じている事業所の割合は約8割。困難や課題の内容では「上司や同僚の負担」が最も多く、次いで「代替要員の確保」となっている。
実際の調査では困難や課題の内容として最も多いのは「代替要員の確保」であり、「上司や同僚の負担」との順位が逆であるため誤りである。
E
転倒災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は8割を超えている。取組内容では「通路・階段・作業場所等の整理・整頓・清掃の実施」が最も多く、次いで「手すり・滑り止めの設置等の設備改善」となっている。
× 割合・取組内容の順位ともに正しい記述であり、誤りではない。
問2 労使間の交渉等に関する実態調査(令和4年)
A
正社員以外の労働者に関する話合い事項では「派遣労働者に関する事項」が最も高く、次いで「同一労働同一賃金に関する事項」、「正社員以外の労働者(派遣労働者を除く)の労働条件」の順となっている。
実際の調査では最も高いのは「同一労働同一賃金に関する事項」であり、「派遣労働者に関する事項」との順位が逆であるため誤りである。
B
過去3年間に何らかの労使間の交渉があった事項では「賃金・退職給付に関する事項」が最も高く、次いで「労働時間・休日・休暇に関する事項」、「雇用・人事に関する事項」の順となっている。
× 交渉事項の順位は正しい記述であり、誤りではない。
C
団体交渉の交渉形態では「当該労働組合のみで交渉」が最も高く、次いで「企業内上部組織又は企業内下部組織と一緒に交渉」、「企業外上部組織(産業別組織)と一緒に交渉」の順となっている。
× 交渉形態の順位は正しい記述であり、誤りではない。
D
労働争議がなかった理由では「対立した案件がなかったため」が最も高く、次いで「対立した案件があったが話合いで解決したため」、「対立した案件があったが労働争議に持ち込むほど重要性がなかったため」の順となっている。
× 争議がなかった理由の順位は正しい記述であり、誤りではない。
E
諸問題を解決するために今後最も重視する手段では「団体交渉」が最も高く、次いで「労使協議機関」となっている。
× 今後最も重視する手段の順位は正しい記述であり、誤りではない。
問3 労働契約法等
A
労働契約は労働者及び使用者が合意することによって成立するが、合意の要素は「労働者が使用者に使用されて労働すること」と「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」であり、詳細な労働条件の定めがない場合でも労働契約は成立しない。
× 労働契約の成立に「詳細に定められた労働条件」は必要とされておらず、詳細な定めがなくても合意があれば契約は成立するため誤りである。
B
労働基準法第106条に基づく就業規則の「周知」は同法施行規則所定の方法によるべきとされているが、労働契約法第7条柱書きの「周知」はそれらの方法に限定されず、実質的に判断される。
労働契約法上の「周知」は労基法所定の方法に限定されず実質的に判断されるとする判例・通達の立場に合致しており、正しい記述である。
C
労基法第89条及び第90条に規定する手続の履行は労働契約法第10条本文の法的効果発生の要件ではないため、その遵守状況を合理性判断に際して考慮してはならない。
× 労基法所定の手続の遵守状況は要件ではないが、合理性判断の考慮要素となり得るとされており、「考慮してはならない」とする点が誤りである。
D
有期労働契約は試用期間を設けることが難しいため、労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当でない場合」以外の場合よりも広いと解される。
× 有期労働契約の途中解除における「やむを得ない事由」は解雇権濫用法理よりも厳格に解されるため、「広い」とする記述は誤りである。
E
労働契約法第18条第1項によれば、同一使用者との有期労働契約の通算期間が5年を超えた場合、使用者が現に締結している有期労働契約の契約期間満了日の翌日から労務が提供される無期労働契約の申込みをしたものとみなす。
× 無期転換の申込みをしたものとみなされるのは「使用者」ではなく「労働者」が申込みをしたものとみなす規定であるため誤りである。
問4 労働関係法規(誤っているものの組合せ)
A
(アとイ)
× アは職業安定法上の情報の正確性保持義務の記述として正しく、イは最低賃金法第8条の文言として正しいため、誤りの組合せではない。
B
(アとウ)
× アは正しく、ウは障害者専用求人での障害状況確認が差別に該当しないという記述も正しいため、誤りの組合せではない。
C
(イとエ)
× イは正しく、エも労働施策総合推進法第9条の年齢に関わらない均等な機会付与の規定として正しいため、誤りの組合せではない。
D
(ウとオ)
× ウは正しく、オについてはパートタイム・有期雇用労働法上、通常労働者と同一の高い販売目標を設定して達成できない場合に支給しないことは問題があるため、オのみが誤りであり、この組合せは不正解。
E
(エとオ)
エは労働施策総合推進法第9条の内容として「昇進」は含まれないため誤り。オは短時間労働者に通常労働者と同一の販売目標を設定して未達成時に不支給とすることはパートタイム・有期雇用労働法上問題があるため誤り。両方誤りの組合せである。
問5 社会保険労務士法令
A
社会保険労務士法第2条第1項柱書きにいう「業とする」とは、反復継続して行う意思を持って反復継続して行うことをいい、他人の求めに応ずるか否か、有償・無償の別を問わない。
× 「業とする」の意義として正しい記述であり、誤りではない。
B
社会保険労務士又は社会保険労務士法人が事務代理等をする場合、申請書等に依頼者の氏名又は名称を記載し「事務代理者」又は「紛争解決手続代理者」と表示し、かつ当該事務代理等に係る社会保険労務士の名称を冠してその氏名を記載しなければならない。
× 申請書等への記載方法として正しい記述であり、誤りではない。
C
社会保険労務士となる資格を有する者が、登録前に社会保険労務士の名称を用いて報酬を得て業として事務を行った場合、名称の使用制限違反とはならないが、業務の制限違反となる。
登録前に社会保険労務士の名称を使用することは名称の使用制限(第26条)違反となるため、「名称の使用制限違反とはならない」とする記述が誤りである。
D
全国社会保険労務士会連合会が登録を拒否しようとするときは申請者に弁明の機会を与えなければならず、登録を拒否された者は不服があるときは厚生労働大臣に対して審査請求ができる。
× 登録拒否の手続きおよび審査請求先について正しい記述であり、誤りではない。
E
開業社会保険労務士及び社会保険労務士法人は、正当な理由がある場合でなければ、紛争解決手続代理業務に関するものを除く依頼を拒んではならない。
× 依頼を拒めない旨の規定(受任義務)として正しい記述であり、誤りではない。
問6 確定給付企業年金法
A
企業年金基金は、分割しようとするときは厚生労働大臣の認可を受けなければならない。また、基金の分割は実施事業所の一部について行うことができる。
× 基金の分割には厚生労働大臣の認可が必要であるが、「実施事業所の一部について行うことができる」とする点が誤りであり、実施事業所の全部についてのみ行うことができる。
B
確定給付企業年金法第78条第1項によると、事業主等が実施事業所を増加又は減少させようとするときは、増加又は減少に係る厚生年金適用事業所の事業主の過半数の同意及び労働組合等の同意を得なければならない。
× 事業所の増減に係る同意要件として正しい記述であるが、実際は当該実施事業所の事業主及び労働組合等の同意が必要であり、「過半数の同意」とする部分が誤りである。
C
基金は、代議員会において代議員の定数の3分の2以上の多数により議決したとき、又は基金の事業の継続が不可能となったときは、厚生労働大臣の認可を受けて解散することができる。
× 解散の要件として正しい記述であるが、代議員の定数の「4分の3以上」の多数が必要であり、「3分の2以上」とする部分が誤りである。
D
確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、その実施する確定給付企業年金の清算人になることができる。
× 事業主が清算人になるためには厚生労働大臣の認可ではなく、認可は不要であり清算人は自動的に定まるため、「厚生労働大臣の認可を受けて」とする部分が誤りである。
E
確定給付企業年金法第89条第6項によると、終了した確定給付企業年金の残余財産(政令で定めるものを除く。)は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、終了した日において当該確定給付企業年金を実施する事業主等が給付の支給に関する義務を負っていた者に分配しなければならない。
確定給付企業年金法第89条第6項の規定内容として正しい記述である。
問7 確定拠出年金法
A
企業型年金加入者は、政令で定める基準に従い企業型年金規約で定めるところにより、年1回以上、定期的に自ら掛金を拠出することができる。
× 企業型年金加入者の掛金拠出(マッチング拠出)の規定として正しい記述であり、誤りではない。
B
企業型年金加入者掛金を拠出する企業型年金加入者は、企業型年金加入者掛金を企業型年金規約で定める日までに事業主を介して資産管理機関に納付するものとする。
× 企業型年金加入者掛金の納付方法として正しい記述であり、誤りではない。
C
企業型年金の年金給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わるものとする。年金給付の支払期月については企業型年金規約で定めるところによる。
× 年金給付の支給開始・終了時期の規定として正しい記述であり、誤りではない。
D
個人型年金加入者は、厚生労働省令で定めるところにより、氏名及び住所その他の事項を、当該個人型年金加入者が指定した運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関に届け出なければならない。
個人型年金加入者が届け出る先は「運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関」ではなく「国民年金基金連合会」であるため誤りである。
E
個人型年金加入者掛金の額は、個人型年金規約で定めるところにより、個人型年金加入者が決定し、又は変更する。
× 個人型年金加入者掛金の額の決定・変更に関する規定として正しい記述であり、誤りではない。
問8 国民健康保険法
A
市町村は、国民健康保険事業の運営が適切かつ円滑に行われるよう、国保組合その他の関係者に対し、必要な指導及び助言を行うものとする。
× 指導及び助言を行うのは「市町村」ではなく「都道府県」であるため誤りである。
B
国保組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。
国民健康保険法上、国保組合は規約の定めにより世帯単位での強制適用を行わないことができるとされており、正しい記述である。
C
国保組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、監事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において監事以外の者を選任したときはこの限りでない。
× 清算人は「監事」ではなく「理事」がなるため誤りである。
D
国民健康保険審査会は各都道府県に置かれ、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び保険医又は保険薬剤師を代表する委員各3人をもって組織される。
× 国民健康保険審査会の委員構成は各3人ではなく各6人であるため誤りである。
E
市町村若しくは国保組合又は国民健康保険団体連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、事業状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。
× 事業状況を報告する先は「厚生労働大臣」ではなく「都道府県知事」であるため誤りである。
問9 社会保障制度(正しいものの組合せ)
A
(アとイ)
× アは正しいが、イについて公的年金の受給権を有するのは全人口の約3割ではなく約4割であるため、イが誤りであり、この組合せは不正解。
B
(アとウ)
アは公的年金制度の仕組みとして正しく、ウは短時間労働者への被用者保険適用拡大のメリット(障害厚生年金の3級・障害手当金、傷病手当金・出産手当金)として正しい記述であり、両方正しい組合せである。
C
(イとエ)
× イは受給権者の割合が誤り。エは一番初めに協定を締結した国はドイツではなくアメリカであるため誤りであり、この組合せは不正解。
D
(ウとオ)
× ウは正しいが、オについて英国、韓国、中国及びイタリアとの協定は「保険料の二重負担防止(適用調整)」のみを内容とし、加入期間の通算は含まないため誤りであり、この組合せは不正解。
E
(エとオ)
× エはアメリカが最初であり誤り。オも加入期間通算が含まれないため誤りであり、この組合せは不正解。
問10 社会保険制度の死亡に係る給付
A
船員保険の被保険者が職務外の事由により死亡したとき、又はその資格を喪失した後6か月以内に職務外の事由により死亡したときは、生計を維持していた者であって埋葬を行った者に対し、埋葬料として5万円を支給する。
× 船員保険の職務外死亡の場合、埋葬料は「生計を維持していた者であって埋葬を行った者」ではなく「被保険者により生計を維持していた者」に支給され、埋葬を行った者への支給は「埋葬費」であるため誤りである。
B
市町村及び国保組合は、国民健康保険の被保険者の死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、埋葬料として5万円を支給する。
× 国民健康保険の死亡給付は条例・規約により任意に定めるものであり、必ず「5万円」と定められているわけではなく、また「埋葬料」の名称も法律上は定められていないため誤りである。
C
健康保険の日雇特例被保険者が死亡した場合において、所定の保険料納付要件を満たしていなくても、死亡の際に療養の給付を受けていたときは、生計を維持していた者であって埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円を支給する。
日雇特例被保険者が療養の給付を受けている場合は保険料納付要件を問わず埋葬料が支給されるとする健康保険法の規定に合致しており、正しい記述である。
D
健康保険の被保険者が死亡したときに、その者により生計を維持していた者がいない場合には、埋葬を行った者に対し、埋葬料として5万円を支給する。
× 生計を維持していた者がいない場合に埋葬を行った者に支給されるのは「埋葬料」ではなく「埋葬費」(実費相当額、上限5万円)であるため誤りである。
E
後期高齢者医療広域連合は、高齢者医療確保法の被保険者の死亡に関しては、条例の定めるところにより、埋葬料として5万円を支給する。
× 高齢者医療確保法上の死亡給付は「葬祭費」と呼ばれるものであり、「埋葬料」という名称は用いられず、金額も一律5万円とは定められていないため誤りである。
健康保険法
問1 任意継続被保険者の標準報酬月額
A
全国健康保険協会は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。
× 評価結果を公表するのは厚生労働大臣であり、協会が公表する義務を負うとする規定はない。
B
任意継続被保険者は、任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出た場合において、その申し出た日の属する月の末日が到来するに至ったときは、その翌日から資格を喪失する。
× 申し出による資格喪失は申出が受理された日の属する月の末日が到来したときであり、翌日から喪失するという記述は誤りではないが、申し出た日ではなく受理された日が基準となる点で誤り。
C
登録型派遣労働者が1か月以内に次回の雇用契約が締結されなかった場合、雇用契約終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。
× 使用関係終了日(いずれか遅い日)から5日以内に資格喪失届を提出するとされているが、実務通達上の内容と異なる部分があり正しいとはいえない。
D
取消しの日から5年を経過しないものについて保険医療機関の指定をしないことができ、地域医療の確保のため特に必要な場合、診療科が2年を経過した期間保険診療を行わない場合は指定することができる。
× 法第65条第3項第1号の例外規定の記述であるが、2年を経過した期間等の要件の記述が法令の規定と合致していない。
E
健康保険組合において、任意継続被保険者の資格喪失時の標準報酬月額が、当該組合の全被保険者の前年度9月30日の標準報酬月額の平均額を超える場合は、規約で定めるところにより、資格喪失時の標準報酬月額をその者の標準報酬月額とすることができる。
法第47条の規定のとおり、健康保険組合は規約により資格喪失時の標準報酬月額を任意継続被保険者の標準報酬月額とすることができる。
問2 健康保険法の各種規定
A
被保険者の総数が常時100人以下の企業であっても、労使の合意がなされた場合、所定の要件をすべて満たす短時間労働者は企業単位で健康保険の被保険者となる。
特定適用事業所以外でも労使合意により短時間労働者を被保険者とする任意特定適用事業所の制度があり、記述は正しい。
B
厚生労働大臣は、指導をする場合において、常に厚生労働大臣が指定する診療又は調剤に関する学識経験者を立ち会わせなければならない。
× 「常に」立ち会わせなければならないとする規定はなく、必要に応じて立ち会わせることができるとされており、「常に」の部分が誤りである。
C
国庫は、毎年度、予算の範囲内において健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担し、健康保険組合への国庫負担金は被保険者数を基準として厚生労働大臣が算定し、概算払いもできる。
法第154条等の規定のとおりであり、記述は正しい。
D
協会は、財務諸表等について、監事の監査のほか、厚生労働大臣が選任する公認会計士又は監査法人から監査を受けなければならない。
法第7条の37の規定のとおりであり、記述は正しい。
E
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収する。
法第155条のほか拠出金徴収の規定のとおりであり、記述は正しい。
問3 誤っているものの組合せ
A
アとイ
× アは協会への移管後の付加給付に関する記述で問題があるが、イは出産費貸付制度について正しく、この組合せは正答ではない。
B
アとウ
× ウの5日以内の届出義務は正しく、この組合せは正答ではない。
C
イとエ
× イは出産費貸付制度として正しく、エに誤りがあるが組合せとして正答ではない。
D
ウとオ
× ウは正しい記述であり、この組合せは正答ではない。
E
エとオ
エは特例退職被保険者の標準報酬月額算定に「特例退職被保険者を含む全被保険者」とするが、実際は含まない。オは見通しの作成を「厚生労働大臣に届け出る」とするが、公表するものであり届け出ではない。
問4 健康保険法の各種規定
A
入院時食事療養費、生活療養費、評価療養等に係る費用、正常分娩及び単に経済的理由による人工妊娠中絶に係る費用は、療養の給付の対象とはならない。
法第63条の規定のとおり、これらは療養の給付の対象外であり、記述は正しい。
B
健康保険組合は、特定の保険医療機関と合意した場合に自ら審査及び支払事務を行うことができ、支払基金以外への委託も可能だが、公費負担医療に係る審査及び支払事務を行う場合には支払基金に届け出なければならない。
× 公費負担医療に係る審査及び支払事務は健康保険組合が自ら行うことはできず、支払基金に委託しなければならないとされており、「届け出る」とする記述は誤りである。
C
健全化計画は、指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする3か年間の計画となり、事業及び財産の現状、財政健全化の目標、具体的措置及び収支の増減見込額を記載しなければならない。
法第28条の規定のとおりであり、記述は正しい。
D
健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
法第31条の規定のとおりであり、記述は正しい。
E
被保険者の資格を喪失した日以後に継続給付として傷病手当金の支給を始める場合、資格喪失日の前日において当該被保険者が属していた保険者等により定められた直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を算定の基礎に用いる。
法第104条・第99条第2項の規定のとおりであり、記述は正しい。
問5 健康保険法の各種規定
A
保険者は、不正行為により保険給付を受けようとした者に対して、6か月以内の期間を定め、傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない決定をすることができる。ただし、不正行為があった日から1年を経過したときはこの限りでない。
法第120条の規定のとおりであり、記述は正しい。
B
匿名診療等関連情報利用者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならず、手数料の額は匿名診療等関連情報の提供に要する時間1時間までごとに4,350円である。
政令の規定のとおりであり、記述は正しい。
C
徴収権の消滅時効の起算日は、保険料についてはその納期限の翌日、保険料以外の徴収金については徴収すべき原因である事実の終わった日の翌日である。
法第193条の規定のとおりであり、記述は正しい。
D
徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき、その違反行為をした者は50万円以下の罰金に処せられる。
法第208条の規定のとおりであり、記述は正しい。
E
症状固定後に装着した義肢の単なる修理に要する費用も療養費として支給することが認められる。
× 症状固定後の義肢の単なる修理に要する費用は療養費の支給対象とならないとされており、記述は誤りである。
問6 標準報酬月額の決定・保険給付の返還
A
健康保険組合の設立、合併又は分割を伴う健康保険組合が管掌する一般保険料率の変更においては、厚生労働大臣の権限を地方厚生局長に委任することができる。
× 健康保険組合の設立・合併・分割等に関する権限は地方厚生局長への委任対象外であり、記述は誤りである。
B
協会の定款記載事項である事務所の所在地を変更する場合、厚生労働大臣の認可を受けなければその効力を生じない。
× 事務所の所在地の変更は認可事項ではなく届出事項であり、「認可」とする記述は誤りである。
C
被保険者は、適用事業所に使用されるに至った日から被保険者の資格を取得するが、使用されるに至った日とは、事業主と被保険者との間において事実上の使用関係の発生した日ではない。
× 「使用されるに至った日」とは事実上の使用関係が発生した日であり、「ではない」とする記述は誤りである。
D
一時帰休に伴い休業手当等が支払われる場合の定時決定は休業手当等をもって報酬月額を算定して標準報酬月額を決定するが、定時決定の際に既に一時帰休の状況が解消している場合は、9月以後に受けるべき報酬をもって算定し標準報酬月額を決定する。
昭和50年の通達(保険発第78号)のとおりであり、記述は正しい。
E
保険者は、不正行為によって保険給付を受けた者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができるが、一部という意味は情状によって詐欺等の不正行為により受けた分の一部であるという趣旨である。
× 一部徴収は給付を受けた第三者(事業主等)に不正行為があった場合の連帯責任の文脈であり、単に「一部であるという趣旨」とする説明は誤りである。
問7 療養の給付・電子資格確認
A
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増減することができる。
× 健康保険組合が規約で事業主負担割合を増減できるのは一般保険料のみであり、介護保険料額についても同様に増減できるとする記述は誤りである。
B
健康保険組合である保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関としての指定を受けなくとも当該健康保険組合以外の保険者の被保険者の診療を行うことができる。
× 健康保険組合が開設する医療機関であっても、他の保険者の被保険者を診療するには保険医療機関の指定が必要であり、記述は誤りである。
C
保険給付を受ける権利は譲渡・担保・差押えができないため、被保険者の死亡後においてその被保険者が請求権を有する傷病手当金等は公法上の債権であるから相続権者が請求することはできない。
× 被保険者が請求権を有していた未支給の保険給付は相続財産となり相続人が請求できるとされており、記述は誤りである。
D
療養の給付を受けようとする者は、保険医療機関等において電子資格確認その他の方法により被保険者であることの確認を受けて療養の給付を受ける。確認方法の一つとして、過去に取得した被保険者資格に係る情報を用いて保険者に照会し、回答を受けて取得した直近の情報を確認する方法がある。
法第63条第3項及び省令の規定のとおり、事前照会による確認方法が認められており、記述は正しい。
E
付加給付は法定給付期間を超えるもの、法の目的を逸脱するもの、医療内容の範囲を超えるもの又は保健施設的なものは廃止しなければならないが、家族療養費の付加給付は特定の医療機関を受診した場合に限り認めることは差し支えない。
× 特定の保険医療機関の受診に限定した付加給付は認められておらず、記述は誤りである。
問8 出産育児一時金・療養費
A
保険者は、督促をしたときは、徴収金額に督促状の到達の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じて、年14.6%(保険料の場合は納期限の翌日から3か月を経過する日までの期間は年7.3%)の割合を乗じた延滞金を徴収する。
× 延滞金の計算期間の起算日は督促状の「発付」の日の翌日(または納期限の翌日)であり、「到達の翌日」とする記述は誤りである。
B
被保険者が妊娠6か月の身体をもって業務中に転倒強打して早産したときは、健康保険法に規定される保険事故として出産育児一時金が支給される。
業務上の事故による出産であっても、出産育児一時金は健康保険から支給される保険事故に該当し、記述は正しい。
C
厚生労働大臣は、匿名診療等関連情報を大学その他の研究機関に提供しようとする場合には、あらかじめ社会保障審議会の議を経て承認を得なければならない。
× 提供に際して社会保障審議会の「承認」を得るとする規定はなく、議を経ることは必要であるが「承認」とする点が誤りである。
D
協会の役員に対する報酬及び退職手当の支給基準を定め、厚生労働大臣に届け出て、その承認を得た後、公表しなければならない。これを変更したときも同様とする。
× 報酬・退職手当の支給基準は厚生労働大臣への「届出」後に「公表」するものであり、「承認を得た後」とする点が誤りである。
E
症状固定後に装着した義肢の単なる修理に要する費用も療養費として支給することが認められる。
× 症状固定後の義肢の単なる修理費用は療養費の支給対象外であり、記述は誤りである。
問9 正しいものはいくつあるか
A
一つ
× 正しい記述はア・イ・ウの三つであり、一つではない。
B
二つ
× 正しい記述は三つであり、二つではない。
C
三つ
ア(保険医療機関の6年更新・みなし申請)、イ(指定しない場合の地方社会保険医療協議会の議)、ウ(保険医の6年更新・みなし申請)が正しく、エ(介護保険の指定によるみなし規定の範囲)とオ(見通しの作成・公表は届出ではない)は誤りであり、正しいものは三つである。
D
四つ
× 正しい記述は三つであり、四つではない。
E
五つ
× 正しい記述は三つであり、五つではない。
問10 被保険者資格・育児休業中の保険料
A
被保険者甲(令和5年1月1日資格取得)は出産日が令和5年12月25日であったため出産日前日まで継続1年以上の被保険者期間がなかったことから、資格取得から1年を経過した日から出産日後56日までの間の労務に服さなかった期間、出産手当金が支給される。
× 出産手当金の支給には出産日以前42日からの要件があり、資格取得から1年経過日を起算とする支給は認められておらず、記述は誤りである。
B
独立して生計を営む子が健康保険の適用を受けない事業所勤務中に疾病のため失業し被保険者である父に扶養されるに至った場合、扶養の事実は保険事故発生当時の状況によって決定すべきであるから被扶養者となることはできない。
× 保険事故発生後であっても生計維持関係が認められれば被扶養者になることができるとされており、「なることはできない」とする記述は誤りである。
C
被保険者乙の配偶者が令和5年8月8日に双生児を出産し、乙が令和5年10月1日から令和5年12月31日まで育児休業を取得した場合、令和6年1月分の保険料は徴収されない。
× 育児休業期間中(令和5年12月31日まで)に終了するため、令和6年1月分の保険料は通常どおり徴収されることとなり、記述は誤りである。
D
被保険者丙は令和6年1月1日に社員数30名の会社に週3日・1日4時間のパートで入社したが、令和6年4月15日付けで週4日・1日8時間勤務に変更となったため、被保険者資格取得届が提出され令和6年4月15日から健康保険の被保険者となった。
社員数30名の会社は特定適用事業所に該当しないため、当初の勤務形態では4分の3基準を満たさないが、変更後は通常労働者の所定労働時間・日数の4分の3以上を満たすため、変更日から被保険者資格を取得するとする記述は正しい。
E
特定適用事業所以外の適用事業所の事業主は、2分の1以上同意対象者の過半数を代表する者の同意又は2分の1以上の同意を得ることにより、特定4分の3未満短時間労働者について短時間被保険者の資格取得の申出をすることができる。
× 労働組合がない場合の同意要件として「過半数を代表する者の同意」又は「2分の1以上の同意」とする記述は、法の規定(被用者の4分の3以上の同意等)と異なり誤りである。
厚生年金保険法
問1 不服申立て
A
厚生労働大臣による被保険者の資格に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
× 被保険者の資格に関する処分への不服申立ては、社会保険審査会ではなく社会保険審査官に対して行う。
B
厚生労働大臣による保険料の賦課の処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
× 保険料の賦課の処分に対する審査請求は、社会保険審査官ではなく社会保険審査会に対して行う。
C
厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
脱退一時金に関する処分(保険給付に関する処分)への不服申立ては、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。
D
第1号厚生年金被保険者が厚生年金保険原簿の訂正請求をしたが、厚生労働大臣が訂正をしない旨を決定した場合、当該被保険者が当該処分に不服がある場合は、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
× 厚生年金保険原簿の訂正不決定に対する不服申立ては、社会保険審査官ではなく社会保険審査会に対して行う。
E
被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定した場合でも、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができる。
× 資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分を保険給付に関する処分の不服の理由とすることはできない。
問2 延滞金・滞納処分
A
甲について加給年金額の加算の対象となる配偶者がいる場合、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。
× 被保険者期間が最長の種別(第2号:150か月)に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。第1号(140か月)ではない。
B
厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われたときは、原則として延滞金が徴収されるが、納付義務者の住所及び居所がともに明らかでないため公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されない。
公示送達の方法による督促の場合は延滞金を徴収しない旨が法定されており、正しい記述である。
C
督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した金額が1,000円未満であるときは、延滞金は徴収しない。
× 延滞金が徴収されない下限額は1,000円未満ではなく100円未満とされている。
D
保険料の納付の督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに保険料を納付しないときは、厚生労働大臣は、自ら国税滞納処分の例によってこれを処分することができるほか、納付義務者の居住地等の市町村に対して市町村税の例による処分を請求することもできる。後者の場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
× 市町村に交付する額は徴収金の100分の4であり、100分の5ではない。
E
滞納処分等を行う徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから厚生労働大臣が任命する。
× 徴収職員は厚生労働大臣ではなく日本年金機構の理事長が任命する。
問3 被保険者・原簿・期間算入
A
同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払いが行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払いとみなすことができる。
× 設問の記述は正しいため、誤っている肢には該当しない。内払いみなしの規定は厚生年金保険法に定められている。
B
適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金等の受給権を有しないものは、厚生年金保険法第9条の規定にかかわらず、実施機関に申し出て被保険者となることができる。
× 高齢任意加入被保険者に関する記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
C
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者(住民基本台帳情報の提供を受けることができる者を除く。)は、その住所を変更したときは、所定の事項を記載した届書を10日以内に日本年金機構に提出しなければならない。
× 住所変更届の提出期限10日以内という記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
D
甲は、令和6年5月1日に厚生年金保険の被保険者の資格を取得したが、同月15日にその資格を喪失し、同日、国民年金の第1号被保険者の資格を取得した。この場合、同年5月分については、1か月として厚生年金保険における被保険者期間に算入する。
同月内に厚生年金保険の資格を取得・喪失し、同日に国民年金第1号被保険者となった場合、当該月は厚生年金保険の被保険者期間に算入されず国民年金期間となる。よってこの記述が誤りである。
E
実施機関は、被保険者に関する原簿を備え、これに所定の事項を記録しなければならないとされるが、この規定は第2号厚生年金被保険者についても適用される。
× 厚生年金保険法第28条は第2号厚生年金被保険者にも適用される旨は正しく、誤っている肢には該当しない。
問4 老齢厚生年金の支給繰下げができない者
A
一つ
× 繰下げ不可となるのはア(障害厚生年金)・イ(遺族厚生年金)・エ(障害基礎年金)の3つであり、一つは誤り。
B
二つ
× 繰下げ不可となるのは三つであり、二つは誤り。
C
三つ
障害厚生年金(ア)・遺族厚生年金(イ)・障害基礎年金(エ)の受給権者は繰下げ申出ができず、該当するのは三つである。
D
四つ
× 老齢基礎年金(ウ)・遺族基礎年金(オ)の受給権者は繰下げ不可とはならないため、四つは誤り。
E
五つ
× 五つすべてが繰下げ不可となるわけではなく、誤り。
問5 遺族厚生年金
A
アとイ
× アは誤り(短期要件でも給付乗率の引上げは行われない)。イは正しい。組合せとして正しくない。
B
アとウ
× アは誤り。ウも誤り(50歳の父には受給権が発生しないが、母にのみ発生するという記述は誤りで父が55歳未満の場合は受給権なし)。
C
イとエ
イ(丙が甲・乙双方の遺族厚生年金を受給でき選択できる)とエ(受給権者の数の増減があった翌月から年金額改定)はいずれも正しい。
D
ウとオ
× ウは誤り(父55歳未満のため受給権なしは正しいが、母にのみ発生するとする点に問題がある)。オも誤り(遺族厚生年金は夫が受給していた老齢厚生年金の4分の3ではなく、被保険者期間に基づく報酬比例部分の4分の3)。
E
エとオ
× オは誤り(繰下げによる加算額を含む額の4分の3が支給されるわけではなく、老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基準となる)。
問6 被保険者資格・標準報酬・事実婚・事後重症
A
特定適用事業所で使用されている甲(所定内賃金が月額88,000円以上、かつ、学生ではない。)は、雇用契約書で定められた所定労働時間が週20時間未満である。しかし、業務の都合によって、2か月連続で実際の労働時間が週20時間以上となっている。引き続き同様の状態が続くと見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3か月目の初日に、甲は厚生年金保険の被保険者資格を取得する。
所定労働時間が週20時間未満でも、実態として2か月連続で週20時間以上となり継続が見込まれる場合は、3か月目の初日に被保険者資格を取得する。
B
第1号厚生年金被保険者が、2か所の適用事業所(管轄の年金事務所が異なる適用事業所)に同時に使用されることになった場合は、その者に係る日本年金機構の業務を分掌する年金事務所を選択しなければならない。この選択に関する届出は、被保険者が選択した適用事業所の事業主が、所定の事項を記載した届書を日本年金機構に提出することとされている。
× 二以上事業所勤務の届出は、事業主ではなく被保険者本人が届書を提出しなければならない。
C
老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額を計算する際に、総報酬制導入以後の被保険者期間分については、平均標準報酬額×給付乗率×被保険者期間の月数で計算する。この給付乗率は原則として1000分の5.481であるが、昭和36年4月1日以前に生まれた者については、異なる数値が用いられる。
× 給付乗率が異なるのは昭和21年4月1日以前に生まれた者であり、昭和36年4月1日以前という記述は誤り。
D
届出による婚姻関係にある者が重ねて他の者と内縁関係にある場合は、届出による婚姻関係が優先される。そのため、届出による婚姻関係がその実態を全く失ったものとなっているときでも、内縁関係にある者が事実婚関係にある者として認定されることはない。
× 届出婚が実態を全く失っている場合は内縁関係を事実婚として認定することができるとされており、誤り。
E
厚生年金保険法第47条の2に規定される事後重症による障害厚生年金は、その支給が決定した場合、請求者が障害等級に該当する障害の状態に至ったと推定される日の属する月の翌月まで遡って支給される。
× 事後重症による障害厚生年金は請求した日の属する月の翌月から支給が開始され、遡って支給されることはない。
問7 標準報酬・保険料・滞納処分
A
令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限について、政令によって読み替えて法の規定を適用することとされており、変更前の最高等級である第31級の上に第32級が追加された。第32級の標準報酬月額は65万円である。
× 第32級の標準報酬月額は65万円であるという記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
B
実施機関は、被保険者の資格を取得した者について、月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額として、その者の標準報酬月額を決定する。
× 資格取得時決定の計算方法に関する記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
C
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。高齢任意加入被保険者の場合は、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うことがあるが、その場合も、保険料の納期限は翌月末日である。
× 保険料の納期限に関する記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
D
厚生労働大臣は、保険料等の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、滞納者に対する滞納処分等の権限の全部又は一部を財務大臣に委任することができる。この権限委任をすることができる要件のひとつは、納付義務者が1年以上の保険料を滞納していることである。
滞納処分等の権限委任の相手方は財務大臣ではなく国税庁長官(又は国税局長)であり、財務大臣とする記述は誤りである。
E
産前産後休業をしている被保険者に係る保険料については、事業主負担分及び被保険者負担分の両方が免除される。
× 産前産後休業中の保険料免除は事業主・被保険者双方の負担分が免除される旨は正しく、誤っている肢には該当しない。
問8 脱退一時金・中高齢寡婦加算・加給年金・未支給給付・事実婚
A
脱退一時金の支給額は、被保険者であった期間の平均標準報酬額に支給率を乗じた額である。この支給率は、最終月の属する年の前年10月(最終月が1月から8月までの場合は、前々年10月)の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じて政令で定める数を乗じて得た率であり、当該政令で定める数の最大値は60である。
× 脱退一時金の支給率の算定方法および最大値60という記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
B
遺族厚生年金に加算される中高齢寡婦加算の金額は、国民年金法第38条に規定する遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額である。また、中高齢寡婦加算は、65歳以上の者に支給されることはない。
× 中高齢寡婦加算の額および65歳以上に支給されないという記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
C
加給年金額が加算されている老齢厚生年金の受給権者であっても、在職老齢年金の仕組みにより、自身の老齢厚生年金の一部の支給が停止される場合、加給年金額は支給停止となる。
在職老齢年金により老齢厚生年金の一部のみが停止される場合、加給年金額は支給停止とならない。全額停止の場合にのみ加給年金額も停止されるため、この記述は誤りである。
D
未支給の保険給付の支給を請求できる遺族として、死亡した受給権者とその死亡の当時生計を同じくしていた妹と祖父がいる場合、祖父が先順位者になる。
× 未支給給付の順位において祖父(父母の上位にある直系尊属相当)は妹(兄弟姉妹)より優先されるため、祖父が先順位という記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
E
離婚の届出がなされ、戸籍簿上も離婚の処理がなされているものの、離婚後も事実上婚姻関係と同様の事情にある者については、その者の状態が事実婚関係の認定の要件に該当すれば、これを事実婚関係にある者として認定する。
× いわゆる「離婚の形式のみの場合」の事実婚認定に関する記述は正しく、誤っている肢には該当しない。
問9 2以上種別・在職老齢年金・繰下げ
A
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の場合、特別支給の老齢厚生年金の支給要件のうち「1年以上の被保険者期間を有すること」については、その者の2以上の種別の被保険者であった期間に係る被保険者期間を合算することはできない。
× 特別支給の老齢厚生年金の1年以上要件は種別ごとに判定するため合算できないとするのは正しいが、本肢は選択肢Eが正答のため誤りの肢に該当する。
B
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る老齢厚生年金の額は、その者の2以上の種別の被保険者であった期間を合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして平均標準報酬額を算出し計算することとされている。
× 老齢厚生年金の額は各種別ごとに計算され、合算して一の期間とみなして計算するわけではないため誤り。
C
第1号厚生年金被保険者として在職中である者が、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得したとき、第1号厚生年金被保険者としての期間が44年以上である場合は、老齢厚生年金の額の計算に係る特例の適用となり、その者の特別支給の老齢厚生年金に定額部分が加算される。
× 長期加入者特例(44年以上)は在職中(被保険者)であっても退職改定後に適用されるが、在職中に定額部分が加算されるわけではない。在職中は在職停止が先に適用されるため、この記述は誤り。
D
65歳以上の被保険者で老齢厚生年金の受給権者が離職し、雇用保険法に基づく高年齢求職者給付金を受給した場合は、当該高年齢求職者給付金に一定の率を乗じて得た額に相当する部分の老齢厚生年金の支給が停止される。
× 高年齢求職者給付金は一時金であり、これを受給しても老齢厚生年金は支給停止されない。
E
65歳以後の在職老齢年金の仕組みにおいて、在職中であり、被保険者である老齢厚生年金の受給権者が、66歳以降に繰下げの申出を行った場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とはならない。
繰下げ加算額は在職老齢年金による支給停止の対象外とされており、正しい記述である。
問10 障害厚生年金・遺族厚生年金・脱退一時金・申出停止
A
アとイ
× アは誤り(障害認定日に障害等級3級であれば障害認定日に受給権が発生し、20歳到達まで待つ規定はない)。イも誤り(障害手当金は傷病が治った日が条件であり、治療中の場合は支給されない)。
B
アとウ
× アは誤り。ウは正しい。組合せとして正しくない。
C
イとエ
× イは誤り(障害手当金は傷病が治ったことが要件であり治療中は対象外)。エは正しい。組合せとして正しくない。
D
ウとオ
ウ(年金たる保険給付の申出による全額支給停止)とオ(2以上種別の脱退一時金の支給要件は期間合算して判定)はいずれも正しい。
E
エとオ
× エは誤り(遺族厚生年金の額は被保険者期間が300月未満の場合に300月みなしとなるが、甲の場合は国民年金第1号被保険者期間との合算で要件確認する必要があり、現時点での死亡は短期要件に該当する可能性がある。ただし被保険者でない期間中の死亡のため短期要件が充たされるか要確認であり、300月みなしが適用されるとは言い切れない)。オは正しい。
国民年金法
問1 保険料・拠出金・国民年金事業
A
被保険者は、出産の予定日(厚生労働省令で定める場合にあっては、出産の日)の属する月の前月(多胎妊娠の場合においては、3か月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料は、納付することを要しない。
× 産前産後保険料免除の規定として正しい内容であり、誤りとはいえない。
B
国民年金法第90条の3第1項各号のいずれかに該当する、学生等である被保険者又は学生等であった被保険者から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間に算入することができる。
× 学生納付特例の内容として正しく、誤りではない。
C
国民年金法第93条第1項の規定による保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、月を単位として行うものとし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要する。
全額まとめて前納する場合に6か月・年単位が要件とされるのは誤り。法93条は「6か月又は年を単位」は任意の前納の場合であり、全期間まとめてであっても月単位で足りる。
D
基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。
× 基礎年金拠出金の算定方法として正しく、誤りではない。
E
国民年金事業の事務の一部は、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団に行わせることができる。
× 国民年金法第3条第2項の規定どおりであり、正しい。
問2 障害基礎年金・国民年金基金(正しい組合せ)
A
アとイとエ
× イは支給停止が「3分の1」ではなく「2分の1」が正しく、誤り。エは申出をした日ではなく正しい記述であるが、イを含むため不正解。
B
アとイとオ
× イが誤りであるため、この組合せは正しくない。
C
アとウとエ
ア(障害基礎年金の受給権者要件)、ウ(保険料納付要件)、エ(国民年金基金の加入資格取得日)はいずれも正しい。
D
イとウとオ
× イは所得超過時の支給停止割合が誤り(3分の1ではなく2分の1)であり、この組合せは正しくない。
E
ウとエとオ
× オは資格喪失日の翌日ではなく喪失した日に資格喪失するため誤りであり、この組合せは正しくない。
問3 不服申立て・積立金・国民年金基金連合会等
A
国民年金法第101条第1項に規定する処分の取消の訴えは、当該処分についての再審査請求に対する社会保険審査会の裁定を経た後でなければ、提起することができない。
処分の取消の訴えは審査請求に対する社会保険審査官の決定を経れば足り、再審査請求の裁定まで経る必要はないため誤りである。
B
労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金並びに同法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときにおける遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、その支給を停止する。
× 労働基準法による補償との調整として6年間の支給停止は法律どおりであり、正しい。
C
国民年金基金連合会は、厚生労働大臣の認可を受けることによって、国民年金基金が支給する年金及び一時金につき一定額が確保されるよう、国民年金基金の拠出金等を原資として、国民年金基金の積立金の額を付加する事業を行うことができる。
× 国民年金基金連合会の業務として正しい内容である。
D
積立金の運用は、厚生労働大臣が、国民年金法第75条の目的に沿った運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、積立金を寄託することにより行うものとする。
× 積立金の運用方法に関する規定として正しい。
E
国民年金事務組合は、その構成員である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項、氏名及び住所の変更に関する事項の届出をすることができる。
× 国民年金事務組合の届出代行事務として正しい内容である。
問4 国民年金の適用(被保険者資格)
A
技能実習の在留資格で日本に在留する外国人は、実習実施者が厚生年金保険の適用事業所の場合、講習期間及び実習期間は厚生年金保険の対象となるため、国民年金には加入する必要がない。
× 技能実習生は講習期間中は厚生年金保険の被保険者とならない場合があり、その間は国民年金第1号被保険者となる可能性があるため誤り。
B
日本から外国に留学する20歳以上65歳未満の日本国籍を有する留学生は、留学前に居住していた市町村(特別区を含む。)の窓口に、海外への転出届を提出して住民票を消除している場合であっても、国民年金の被保険者になることができる。
日本国籍を有する者は海外在住でも任意加入被保険者となることができ、住民票消除後も資格取得が可能であるため正しい。
C
留学の在留資格で中長期在留者として日本に在留する20歳以上60歳未満の留学生は、住民基本台帳法第30条の46の規定による届出をした年月日に第1号被保険者の資格を取得する。
× 中長期在留者は転入届等を行った日ではなく、適法に日本に在留し住所を有することとなった日に資格を取得するため誤り。
D
第3号被保険者が配偶者を伴わずに単身で日本から外国に留学すると、日本国内居住要件を満たさなくなるため、第3号被保険者の資格を喪失する。
× 第3号被保険者の国内居住要件には留学等の例外があり、単身留学でも資格を喪失しない場合があるため誤り。
E
第2号被保険者は、原則として70歳に到達して厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した時に第2号被保険者の資格を喪失するため、当該第2号被保険者の配偶者である第3号被保険者は、それに連動してその資格を喪失することになる。
× 第2号被保険者は65歳以降に老齢・退職給付の受給権を有する者は除かれるため、70歳到達前に第2号被保険者資格を喪失する場合があり、一律70歳とするのは誤り。
問5 保険料免除制度(産前産後・学生・特例等)
A
第1号被保険者が国民年金法第88条の2の規定による産前産後期間の保険料免除制度を利用するには、同期間終了日以降に年金事務所又は市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)の窓口に申出書を提出しなければならない。
× 産前産後免除の申出は出産予定日の前からでも可能であり、終了日以降でなければならないという制限はないため誤り。
B
学生納付特例制度を利用することができる学生には高等学校に在籍する生徒も含まれるが、定時制及び通信制課程の生徒は、学生納付特例制度を利用することができない。
× 学生納付特例の対象は大学・大学院等であり高等学校の生徒は原則対象外であるため、前段から誤り。
C
矯正施設の収容者は、市町村に住民登録がなく、所得に係る税の申告が行えないため、保険料免除制度を利用できない。
× 矯正施設の収容者に対しても所得審査の特例があり免除制度を利用できるため誤り。
D
第1号被保険者が国民年金法第88条の2の規定による産前産後期間の保険料免除制度を利用すると、将来、受給する年金額を計算する時に当該制度を利用した期間も保険料を納付した期間とするため、産前産後期間については保険料納付済期間として老齢基礎年金が支給される。
産前産後免除期間は保険料納付済期間として扱われ、年金額への反映上も満額計算となるため正しい。
E
配偶者から暴力を受けて避難している被保険者が、配偶者の前年所得を免除の審査対象としない特例免除を利用するには、配偶者と住民票上の住居が異ならなければならないことに加えて、女性相談支援センター等が発行する配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書によって配偶者から暴力があった事実を証明しなければならない。
× DV特例免除は住民票上の住居が同一でも利用でき、証明書の種類も複数認められているため誤り。
問6 遺族基礎年金・障害基礎年金の支給要件
A
障害基礎年金を受給している者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じた時は、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得するが、後発の障害に基づく障害基礎年金が、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるために支給停止される場合は、当該期間は先発の障害に基づく障害基礎年金も併合認定された障害基礎年金も支給停止される。
× 後発障害が労災補償で停止されても、先発障害に基づく年金は引き続き支給されるため誤り。
B
障害基礎年金の受給権者は、障害の程度が増進した場合に障害基礎年金の額の改定を請求することができるが、それは、当該障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して1年6か月を経過した日より後でなければ行うことができない。
× 額改定請求が可能となるのは受給権取得日から1年を経過した日以後であり、1年6か月ではないため誤り。
C
障害基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年未満である場合でも、その者の18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子のいない配偶者に対して遺族基礎年金が支給される。
× 子のいない配偶者には遺族基礎年金は支給されないため誤り。
D
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上ある場合(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算して10年以上ある場合を含む。)は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
× 老齢基礎年金受給権者の死亡による遺族基礎年金は、25年以上の受給資格期間等の要件があり、10年以上では足りないため誤り。
E
国民年金の被保険者である者が死亡した時には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上ある場合は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
法37条の保険料納付要件(3分の2以上)を満たす被保険者の死亡により配偶者又は子に遺族基礎年金が支給されるとする規定のとおりで正しい。
問7 老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ(誤りの組合せ)
A
アとイ
× アは誤りだが、イは繰上げ後の20歳前傷病による障害基礎年金請求不可の説明として正しいため、この組合せは誤りの組合せとして不適切。
B
アとウ
× アは正しい内容(65歳前は遺族厚生年金との併給不可のため停止)であり、この組合せは正しくない。
C
イとエ
× イは正しく、エは昭和27年4月2日以後生まれへの5年前みなし申出規定として正しいため、誤りの組合せではない。
D
ウとオ
ウは繰上げ受給者が65歳前に20歳後初診の障害基礎年金を請求できるとするが誤り(繰上げにより請求不可)。オは未支給年金請求者の範囲を親族に限るとするが、生計同一の3親等内の親族等も含まれるため誤り。
E
エとオ
× エは正しい規定であり、この組合せは誤りの組合せとして正しくない。
問8 年金給付の支払・財政検証等(いくつあるか)
A
一つ
× 正しい記述は二つあるため誤り。
B
二つ
ア(5年ごとの財政検証)とウ(産前産後免除期間の付加保険料納付不可)が正しく、イ・エ・オは誤りであるため、正しいものは二つ。
C
三つ
× 正しい記述は二つであり三つではない。
D
四つ
× 正しい記述は二つであり四つではない。
E
五つ
× 正しい記述は二つであり五つではない。
問9 老齢基礎年金・任意加入・国民年金基金
A
甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが、30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。
× 昭和34年生まれの者は65歳到達日の前日に国内任意加入の資格喪失となり、65歳以降の任意加入はできないため誤り。
B
老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において遺族厚生年金の受給権者となったが、実際には遺族厚生年金は受給せず老齢厚生年金を受給する場合は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。
× 65歳から66歳の間に遺族厚生年金の受給権者となった場合は繰下げ申出ができないため誤り。
C
政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき保険料を徴収することとなっているが、被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。その場合、国民年金法第87条第3項の表に定める額に保険料改定率を乗じて得た額となり、前納による控除は適用されない。
× 前納には前納割引(控除)が適用されるため、「控除は適用されない」は誤り。
D
積立金の運用は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら国民年金の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとされている。
国民年金法第76条の規定に合致した正しい内容である。
E
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関しても、年金の支給を行うものとする。
× 国民年金基金は死亡に関しては「一時金」を支給するものであり、「年金の支給」とするのは誤り。
問10 遺族基礎年金・死亡一時金・督促
A
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくし、かつ、その当時日本国内に住所を有していなければ遺族基礎年金を受けることができない。なお、死亡した被保険者又は被保険者であった者は保険料の納付要件を満たしているものとする。
× 日本国内に住所を有しない場合でも所定の要件を満たせば遺族基礎年金を受けられる場合があるため、国内住所を絶対要件とするのは誤り。
B
第2号被保険者である50歳の妻が死亡し、その妻により生計を維持されていた50歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、16歳の子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、子が遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給し、その間は夫の遺族基礎年金は支給停止される。
× 配偶者と子の両方に受給権がある場合、子の遺族基礎年金が支給停止され配偶者が受給するのが原則であり、逆の記述は誤り。
C
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料半額免除期間を48月有し、かつ、4分の1免除期間を12月有している者で、所定の要件を満たす被保険者が死亡した場合に、その被保険者の死亡によって遺族基礎年金又は寡婦年金を受給できる者はいないが、死亡一時金を受給できる遺族がいるときは、その遺族に死亡一時金が支給される。
× 死亡一時金の支給要件として保険料納付済相当月数が36月以上必要であるが、半額免除は1/2月・4分の1免除は3/4月換算のため合計が要件に満たない可能性があり、問題文の設定では支給されないため誤り。
D
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに、基準障害と他の障害とを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態となった場合に支給される。ただし、請求によって受給権が発生し、支給は請求のあった月からとなる。
× 基準障害による障害基礎年金の支給開始は請求のあった日の属する月の翌月からであり、「請求のあった月から」は誤り。
E
保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、督促状により期限を指定して督促することができるが、この期限については、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。
国民年金法第96条第2項の規定どおりであり、正しい。

出題傾向 分析

労働基準法・労働安全衛生法

  • 選択式:三菱重工業長崎造船所事件(労働時間の概念)・退職金全額払・損益相殺判例から出題
  • 択一式:1か月変形労働時間制・事業場外みなし労働・高プロ制度・年次有給休暇の時間単位取得
  • 判例問題が多く、最高裁の「判示内容」まで押さえることが必須

労働者災害補償保険法・徴収法

  • 選択式:障害等級の繰上げ規定・年金給付の支給開始月・損益相殺(被扶養利益の喪失)
  • 択一式:脳・心臓疾患の認定基準・介護補償給付・二次健康診断等給付・特別加入
  • 問6はC・Dの2択が正答とされる珍しい出題形式

雇用保険法・徴収法

  • 選択式:出生時育児休業給付金(令和4年改正)・個別延長給付・特例高年齢被保険者
  • 択一式:教育訓練給付金・受給期間計算の事例問題・基本手当の給付制限・誤納金の時効
  • 令和4〜5年の法改正(出生時育児休業・特例高年齢被保険者)が選択式で直撃

一般常識(労働・社保)

  • 労働:改善基準告示(自動車運転者)・令和4年労働経済白書(女性雇用者45.8%)・労働協約の規範的効力
  • 社保:令和4年国民生活基礎調査・要介護認定者数(18.9百万人)・国保法・高確法の目的条文
  • 統計数字と法律の目的条文は毎年出題されるため確実に押さえること

健康保険法

  • 選択式:患者申出療養の要件・出産育児一時金の継続給付・家族訪問看護療養費
  • 択一式:任意適用事業所の廃止・被扶養者の認定・傷病手当金・標準報酬月額の改定
  • 保険給付の種類(家族訪問看護療養費・家族療養費など)の細かい区別が出題ポイント

厚生年金保険法

  • 選択式:国庫負担・標準賞与額上限150万円・脱退一時金の差押え禁止例外・障害年金の改定請求
  • 択一式:標準報酬月額の改定(定時・随時)・遺族厚生年金の受給要件・障害厚生年金
  • 差押え禁止の例外が「脱退一時金」(障害厚生年金ではない)という細かい知識が問われた

国民年金法

  • 選択式:納付受託者制度・遺族基礎年金の子の要件・死亡一時金の受取順位
  • 択一式:産前産後保険料免除・学生納付特例の所得要件・第3号被保険者の届出
  • 納付受託者(⑫)と指定納付受託者(⑥)の区別が選択式で問われた点に注意

第57回試験(2025年)に向けた学習ポイント

① 最高裁判例・行政解釈の精読が重要

第56回では労基・労災・一般常識で複数の最高裁判例が出題(三菱重工業長崎造船所事件、退職金全額払・損益相殺判例等)。 条文の文言だけでなく、判例の射程・判示内容まで押さえることが合格の鍵。

② 選択式は「数字」と「制度名」の正確な暗記

第56回の選択式では「18.9%」「150万円」「45.8%」「100%」など具体的な数字・割合が正答。 重要数字 暗記シートで体系的に押さえましょう。

③ 令和6年施行の法改正を重点確認

デジタル賃金払い(問4)・出生時育児休業給付金・特例高年齢被保険者など令和4〜6年の法改正が択一式で多数出題。 第57回に向けては雇用保険の週10時間適用拡大106万円の壁撤廃(2026年10月施行)が要注意。

④ 統計・白書問題は最新年度版で確認

一般常識では令和4年労働安全衛生調査・令和4年労使交渉実態調査が出題。 試験の基準日(官報公告日:令和6年4月12日)時点で施行されている法令・統計が対象。

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