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試用期間 本採用拒否 有効要件チェック

労基法第21条 / 労契法第16条

試用期間は解約権留保付労働契約であり、使用者は「客観的に合理的な理由」かつ「社会通念上相当」と認められる場合に限り、本採用を拒否(留保解約権を行使)できます(最高裁・三菱樹脂事件)。通常の解雇より広い裁量が認められますが、恣意的な拒否は無効です。

解約権留保付労働契約 客観的合理的理由が必要 14日超経過後は30日前予告必要

本採用拒否 有効性チェックリスト

該当する項目にチェックを入れてください。

① 試用期間中であること
就業規則・労働契約書に試用期間の定めがあり、その期間内である
② 客観的に合理的な理由があること
能力不足・適性欠如・勤怠不良・経歴詐称など、採用時に知り得なかった事実または試用期間中に判明した事実がある
③ 社会通念上相当であること
理由の程度・内容が本採用拒否の判断として社会的に妥当であり、指導・改善機会の付与などを経た上での判断である
④ 手続きが適正であること
試用期間14日を超えた場合は30日前予告または解雇予告手当の支払い(労基法第21条但書)
⑤ 禁止事由に該当しないこと
国籍・信条・社会的身分・性別・労組活動・産前産後・業務災害療養中などを理由にしていない(労基法第3条・第19条)

採用内定取消との違い

項目 採用内定取消 試用期間中の本採用拒否
時期内定〜入社前入社後・試用期間中
法的性質始期付・解約権留保付労働契約の解除留保解約権の行使(解雇)
予告義務原則不要(解雇予告の規定は不適用)14日超経過後は30日前予告必要

試験対策ポイント

  • 試用期間は解約権留保付労働契約(最高裁・三菱樹脂事件)
  • 試用期間14日以内:解雇予告・予告手当不要(労基法第21条第4号)
  • 試用期間14日超過後:30日前予告または予告手当が必要
  • 本採用拒否の有効要件:通常解雇より広い裁量が認められるが、客観的合理的理由+社会的相当性は必要
  • 経歴詐称(重要な部分)は本採用拒否の有効な理由になる

人事担当者の方へ

✅ 本採用拒否は「試用期間内」に行ってください

試用期間終了後に「やはり本採用しない」と判断した場合、通常の解雇と同様の厳格な要件が求められます。期間中に判断し、適切な予告・手続きを行うことが重要です。

✅ 拒否理由は具体的に記録しておきましょう

「能力が低い」という抽象的な理由では不十分です。具体的な業務上の問題点・指導記録・改善できなかった事実を記録しておくことが、後の紛争対応で重要になります。

✅ 試用期間の延長は労働者の同意が必要です

就業規則に「試用期間を延長できる」旨の規定があっても、一方的な延長には労働者の同意が必要とされています。合意なき延長は無効となる可能性があります。

根拠法令

労働基準法 第21条 e-Gov
試用期間中(14日以内)は解雇予告・予告手当が不要(第4号)。14日を超えた場合は通常の予告義務が適用される。
労働契約法 第16条 e-Gov
解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は無効(解雇権濫用法理の明文化)。試用期間中の本採用拒否にも適用される。